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7話 ページ25

『……分かった、なら私も一緒に探偵社に入ろう』
乱「……いいよぉ!社長には僕から推薦しておくよ」

飴玉をコロコロと転がしながら乱歩さんが笑顔でそう言った。

推薦ねぇ……。
入社試験はやらせるつもりか。

太「……一つ、聞かせてもらいたい」
『……何でしょう?』
太「何故、探偵社に彼女を入れたいんだい?」

ここは、誤魔化しても駄目だ。
チラリと鏡花ちゃんの方を見ると、不安そうな顔をしながら、袖の端を握って、静かに小さく頷いた。
話してもいいということだろう。
太宰さんの方に向き直して、視線を合わせる。

『……彼女は、元マフィアです』
谷「えっ?!」
ナ「マフィアって、あの、ポートマフィア?」
『はい。昨日(さくじつ)、彼女は初めて殺人の命令を下され、目的の場へ向かっている最中に奇妙な出来事に巻き込まれ、任務に失敗しました』
乱「……奇妙な出来事?」
鏡「……死んだ筈の、お母さんに会った」

その場にいる全員が息を飲んだ。

谷「死んだ人間に会ったって、それって、!」
太「間違いない、「幻」だ、」

……どういう事だろう?
私の異能力は確かに「幻」とは名付けたけれども、誰かの前で変化したことはないし、変化する時は周囲を確認してから変化する。
そもそも私が異能者だということもまだ誰にも知られていないはずだが。

谷「あ、えっと、君達は知らないよね。数十年前、ヨコハマで怪奇殺人が起こったんだ。原因不明の被害者の内、数名が命からがら生き延びたンだけど、全員死んだ筈の人間が、襲ってきたって」
太「近年はすっかり音沙汰がなくて、捜査も行き詰まってた見たいだけど、まさかまだ生きていたとは」

あー、あー!
待ってこれ私能力バレたら完全にアウトじゃん!
勘違いされて捕まるのでは?!
確かに変化したけど!!鏡花ちゃんのお母さんに変化したけど!!

太「しかし、良く無事だったね」
『それなら私が原因かもしれません、時たま夜に散歩しに歩きに出かけるんですが、いつもとは別のコースを歩いたので、その時、気絶している彼女を見つけて取り敢えず家が近かったので私の家へ』

口から出任せもいいところだが、半分は嘘ついてない。
…さっきから乱歩さんが口元を抑えてクツクツと震えているのは笑いを抑え込んでるからですよね、私の異能も見抜いてますよねあの人。
それを承知の上で私の反応見てちょっと楽しんでますよね?!
乱歩さん確実に楽しんでるよね?!!

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暁郗 - マフィン……仕様ですよね?? (2021年1月5日 11時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - めっちゃ好みです〜!続き楽しみにしてます! (2020年10月10日 14時) (レス) id: b284cf17d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです〜〜〜!!応援しています!!頑張ってください! (2019年9月19日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 面白いです!好きです!どうか続き更新のご慈悲を…!! (2019年8月5日 1時) (レス) id: e0e3857385 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - おもしろい!!!!応援しています!!!! (2019年7月25日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鏡花@狐さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年6月8日 20時

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