◎渡辺くんはいつも不機嫌

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実行委員の友達と別れて下駄箱へ。文化祭まであと2週間くらいなんだな。それが終わればもう受験だし、受験が落ち着けば卒業。



…なんか、濃い1年だったな。3年になってから急に毎日が濃くなった気がする。




佐「弓木ちゃんだ」


『…あ、佐久間くん』




下駄箱でバッタリ会ったのは佐久間くん。それから、知らない男子生徒。物凄く見られているけどなんだろう。そう思っていたら、佐久間くんがアッという表情をした。




佐「涼太と同じクラスの照！照も1年の時同じクラスだったんだよ」


『…はぁ、』


岩「あ。もしかして、弓木さん？」


『は、はい。弓木です』


岩「翔太と同じクラスなんだよね？あと、体育祭で翔太におんぶされてた子でしょ」


『…もうそれは忘れていただいて、』




彼は4組の岩本照くんというらしい。こんな事言ったら失礼かもだけど髪が明るくて、制服も着崩しているからちょっと怖い人だと思ったけど話してみると普通で、何より笑った顔が優しい。




佐「あ、てか弓木ちゃん文化祭でうさぎの着ぐるみ着るんだって！？俺と被ってんじゃん！」


『お化け屋敷なのに猫の着ぐるみ被る方がおかしくない？』


岩「確かに」




そんな会話をしながら昇降口を出ると、『ふっかじゃね？』と岩本くんが。え、どこ？と探す佐久間くんと一緒に深澤くんを探してみると。




深「Aちゃん、照とも仲良くなったの？」


『…い、いや、今さっき知り合ったばっかりだよ』


深「そうなんだ」


佐「お前何してんの？」


深「んー？部活にでも顔出そうかなーって」


岩「ああ、引退したんだっけ」


深「夏休み前にね」





気まずいと思っているのは私だけなんだろうか。ごく普通に話しかけてくれる深澤くんは特に変わった様子は無くて、岩本くんと佐久間くんに弄られてツッコミをしている。



なんだか居心地悪くなってしまって、じゃあ、私帰るね。そう言って3人に挨拶をして帰る事にした。









◇








深「………」


佐「ふっかって結構分かりやすいよね」


深「え、」


岩「でも、ふっかにしては結構珍しくない？弓木さんみたいなタイプ」


佐「俺も思った」


深「…そう？」


岩「うん、良い子そうだけどね」


深「めちゃめちゃ良い子なんだよ、ホントに」


佐「珍しー」


深「俺今おセンチなの。放っておいて」


佐「それは面白いわ」


深「なんでだよ！」







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