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『と言う訳で、こちらが私の母で、こっちが父です!』



うらたさん家の客間を借りて、私を真ん中に両側に両親。向かいにはうらたさん、両側にご両親という形で座っている。



「うちの娘にプロポーズをしたそうだね、うらたくん」

「はい。Aさんを、俺の人生をかけて守りたい、そう思いましたので」



イケメンな事をすらっと言ううらたさんは、真剣な眼差しで父を見つめていた。私はなんだか緊張して喉が渇いて、ティーカップに入っている紅茶を一口飲んだ。

うらたさんがそう答えた後、沈黙が部屋の中で続いた。それを破ったのは、母のクスクスと声を殺す笑い声だった。



『お、お母さん?』

「ふふふっ、お父さんったら、厳格な父親なんか演じちゃって。本当はねA、Aから手紙を貰った時、一番喜んでいたのはお父さんなのよ?」

「ちょ、お前……!!」



焦る父、そして笑い転げる母、呆然とする私とうらたさん。



「だってちょっと憧れてたんだもん、「娘は渡さん!」って言ってみたかったんだもん……」



お父さんかわいい(末期)お父さんは少し肩をすぼめ、しょんぼりと眉を落とした。先程の緊張した空気は何処へやら。父は優しい笑みをうらたさんに向けて言った。



「うらたくん、困惑させてすまないね。本当は娘と結婚してくれる事、心から嬉しく思っているよ。娘を、よろしくお願いします」



父は席を立ち上がり、うらたさんに頭を下げた。続いて母も席を立ち頭を下げる。慌ててうらたさんを立ち上がり、両親に向かって頭を下げた。



「ありがとうございます!必ず、幸せにします」



少し面を上げたうらたさんと目が合う。うらたさんはどこか安心したような表情で私に笑いかけた。

こうして、各々の両親への報告も終わり、私の両親が城下町に滞在している間に、結婚式をあげようという話になったのだ。

・→←af.3【ご挨拶】



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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時

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