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『え、ちょ、うらたさん……!?』
ボタンを外し始めた時は状況が理解できず、胸元までボタンが外れた所で、ようやくうらたさんの手を掴み止めた。
『な、何して……』
「こっち見ちゃだめ」
振り向こうとする私を止めて、私の手首を掴むと、うらたさんは私の両手を体の後ろで片手で掴み拘束した。すると、空いている方の片手で私の襟を引っ張ると、肩が見えるくらいまではだけさせる。
うらたさんはそのまま、私の首筋に顔を近づけてくると、かぷりと甘く噛み始めた。
『っひゃ……!?』
うらたさんの髪が肌に当たってくすぐったい。それに優しく噛んでくるので、それもまた恥ずかしい。少しすると、うらたさんは同じような場所を確かめるように数回甘噛みする。
刹那、じゅっ、と言う音と共に、噛まれている所に熱が奔った。突然の事に、私も情けない声を出してしまう。満足したのか、噛んだ場所を一度舐めた。
「ふふ、これでいいかな」
『?』
「キスマーク付けたの。Aは俺のもんって事」
ボタン全部取るよ、と完全に力の抜けた無抵抗な私のボタンを、胸元から一番下まで器用に片手で取っていった。前が少しスースーして、噛まれた首元だけ熱かった。
うらたさんは、私のお腹を下から上に優しく撫でる。くすぐったくて身をよじらせると、
「反応かわいい」
と今度は耳を噛んできた。頭がぼーっとして体に力が入らない。私は体を後ろに傾けると、うらたさんに寄りかかり、体重を預けた。
「ん。そんなに気持ちよかった?」
『気持ち、よかった……?』
「ふは、ぼーっとしてる。かわいーな」
うらたさんはそのまま私の体を横に倒し、ソファに寝転がらせた。自身も私の上にまたがると、私の頬を優しく包んだ。
「俺の事しか考えられないようにしてあげる。……覚悟してね?」
そう妖艶に微笑むうらたさんは、その後私にしか見せない表情で、優しく愛してくれたのだった。
(うらたさん……)
(ん?)
(……すき)
(……俺も。愛してるよ、A)
af.1【後輩ができた】Fin
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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時