112話 ページ27
何が起こったのか理解するのに数秒かかった。
う、うらたさんに、キ、キスされてる……！？
『っ……』
私はうらたさんの服をキュッと掴んだ。
顔が熱くなっていく。
うらたさんは少しすると、私の唇から自分の唇をゆっくりと離していった。その際に、だれもいない静かなテラスに、ちゅ、とリップ音が響く。
「ぁ……えっと……」
唇を離したうらたさんは、上や下に目を泳がせた。心なしかうらたさんも顔が赤い。
「A……。これから言う事、ちゃんと聞いてほしい」
目を泳がせていたうらたさんは、しっかりと私の目をまっすぐ見つめてきた。
私は彼の綺麗な翠色の瞳に捕らえられて、目を反らせなくなった。
「俺、Aの事が、好き……なんだ。
初めて会った騎士団試験の時、諦めずに俺に立ち向かってくるAがすげぇと思った。
この前、俺を助けに来てくれた時、Aの背中を見てかっこいいと思った。そんで同時に守りたいとも思ったんだ」
心臓の脈が速くなるのが分かる。
な、なんだこれ。こんなの初めてだ……。
「俺はお前の隣にずっと居たいって思うし、お前にも俺の隣にずっと居てほしいって思ってる。
だから、俺で良ければ……付き合ってくれませんか」
私の事を好いてくれる人がいるって言うのは、こんなにも胸がふわふわして、嬉しいものなのか。うらたさんは真剣な眼差しで私を見ている。
私も、この気持ちに応えなければ……！
『うらたさん私「アリス様」
私でもなく、うらたさんでもない声が聞こえた為、私達はそちらに視線を向ける。
すると、会場とテラスを繋ぐドアの所に、姫様といつもいる執事が立っていた。
「お取り込み中申し訳ありません、ただいま戻りました。もうすぐ本物のアリス様がこちらにご到着されますので」
影武者の仕事はこれで終わりか。
「A、返事は後でもいいから。待ってるわ、じゃあな！」
執事の乱入により、うらたさんは空気を読んだのか私にそう一言残して、会場内へと戻っていってしまった。
＿＿＿その時伸ばした私の手は、うらたさんには届かなかった。
ラッキー歌い手
うらたぬき
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神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ただいまでーす！続きはお楽しみに(*´∀｀) (2019年6月1日 6時) (
レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 絢乃さん» わーありがとうございます！ただいまです！ (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
嶺音 - おおーーΣ(゜Д゜)いっぱい更新されてる！お帰りなさい。お疲れ様で〜す。続きが凄い気になる！頑張って下さい！！ (2019年5月31日 23時) (レス) id: feeb429954 (このIDを非表示/違反報告)
絢乃(プロフ) - お帰りなさいです！テストお疲れ様です！ (2019年5月31日 23時) (レス) id: 2caae02809 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ありがとうございます！頑張りますよぉぉお！！！(*ﾟ∀ﾟ) (2019年5月14日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱里 | 作成日時：2019年4月21日 20時
