98話 ページ12
『え"、今なんて?』
女とは思えない声を出した私は、もう一度姫様に聞き返す。
「ですから、王国誕生祭のダンスパーティーに、私の代わりに出て欲しいのです!お願いです、A様!」
思わず顔が引きつる。
いやいやいや、流石にそれはバレるでしょ、私が影武者だって。
しかも、ダンスなんて踊ったことないよぉお!
なんて考えていると、執事が助け舟を出す。
「心配いりませんA様。ダンスの方は私達が全力でサポートさせていただきます」
あ、今自分がダンス踊って相手の人の足を踏む未来まで見えたわ()
私は落ち着きを取り戻すように、用意していただいた紅茶を一口飲むと、ティーカップの底を片手で支え、膝の上に置く。
「後生です、A様……」
キラキラした目でこちらを見てくる姫様。
う、やめろぉ!その目には弱いんじゃぁ!
『わ、分かりましたよ……。どうなっても知りませんからね』
「本当ですか!?ありがとうございます!」
なんか、お姫様ってもっとおしとやかに微笑んでいる感じだと思ったけど、アリス様は違うのね。しかし、見れば見るほど私にそっくりだ。
「ダンスパーティーは王国誕生祭の最終日の晩餐会にあるので、その時はよろしくお願いしますね!」
『踊る相手とかって、どうなるんですか?』
「はい。まことに恐縮ですが、私がA様にふさわしいお相手を見つけておきますので、後日ダンスを練習する際にご対面、という形でよろしいでしょうか」
『はい、構いません。よろしくお願いします』
執事にそう言われ、私はとりあえず全てを執事に任せる事にした。
楽しそうに話すアリス様を見ていると、私も自然と笑顔になる。
今後のダンスには不安もあるが、まぁこれで良かったのだろう、と私はもう一度紅茶を飲んだ。
ラッキー歌い手
うらたぬき
271人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ただいまでーす!続きはお楽しみに(*´∀`) (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 絢乃さん» わーありがとうございます!ただいまです! (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
嶺音 - おおーーΣ(゜Д゜)いっぱい更新されてる!お帰りなさい。お疲れ様で〜す。続きが凄い気になる!頑張って下さい!! (2019年5月31日 23時) (レス) id: feeb429954 (このIDを非表示/違反報告)
絢乃(プロフ) - お帰りなさいです!テストお疲れ様です! (2019年5月31日 23時) (レス) id: 2caae02809 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ありがとうございます!頑張りますよぉぉお!!!(*゚∀゚) (2019年5月14日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱里 | 作成日時:2019年4月21日 20時