27．ハシ ページ38
．．．
侑とケンカした。
「⋯ケンカ？」
「うーんいや、ケンカ？ケンカっていうかなんだろう⋯呆れられた？嫌われた？」
「A、顔色悪いで。ちゃんと寝とるんか」
「⋯昨日はあんま寝れてない。
あー！もうそれより本当に治ごめん。お前の方に侑のしわ寄せ行くかも」
「もうとっくに来とったしええよ。八つ当たりはいつもんことや。侑の不機嫌に拍車はかかっとるけど。
というよか、なしてそないなことになっとんの？」
「⋯⋯⋯えと、」
「⋯まあ、話したないならええわ。
にしても、嫌われたって⋯」
治がチラ、と視線をある場所へ向けた。
食堂の大きなテーブルで、オレと治が2人より離れた場所で、
不機嫌全開に侑がむしゃむしゃと昼食を取っている。
朝練でもオレと目を合わせようとしないし、
いつもは一緒に食べるのに、今日は何も言わずに1人で。
それに何かを感じ取った治がオレの方に来てくれたけど。
オレは怖くて侑の方を見れない。
治は侑と目を合わせてるのかな。
侑は、どんな感じなんだろう。
「んー⋯あ、せやA」
「なに？」
「ちょっとだけ体貸して」
「え、体？」
なんだなんだと治の方を見ると、
ポスンと
体を治に引き寄せられた。
周りにいたオレや治のファンの女の子達が、
ギャアア！！と悲鳴だか歓声だかを上げる。
⋯なんか侑の方から何かが壊れるみたいな音がしたけど、大丈夫か？
治の体に包まれてるせいで、侑の姿を確認できない。
「あ、意外と細っこいなA」
「？ そう、もっと筋肉つけようかなって最近思ってて⋯」
「そーかそーか」
わしゃしゃしゃしゃ、
治の腕に囲われながら
わけもわからず髪を掻き回される。
治はその間もずっと侑の方を見ているようだが⋯
「あの、治サン？」
「アカンな、これおもろいわ。
A安心し、嫌われたわけや無いみたいやで」
「？？？ あ、そう⋯」
「セッターが握力でハシへし折るとか、手ぇ怪我したらどないすんねんて。
なあA」
「なんの話？」
「んー、こっちの話。さ、もう食べ終わったんやし行こか」
「うん⋯？」
なぜだか治は、とても楽しそうだった。
．
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湧緋(プロフ) - しずくさん» 感動してくださったのでしょうか！とても嬉しいです！！すれ違いは書いててツライですね…。けどハッピーエンドを目指します！ 侑に聞こえているかは、ぜび完結編をご覧下さい！ コメントありがとうございます！ (2020年3月14日 13時) (
レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
湧緋(プロフ) - 猫太郎丸さん» またまたコメントありがとうございます！頑張って2人を幸せにしたい！ので、楽しみにしていてください！ 完結編もぜひ！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
しずく - どうしよう・・・涙がとまりません。2人の思いがすれ違ってなんかかわいそうやけど、夢主ちゃん最後にさらっと告白してるとこ侑くんに聞こえてるんでしょうか？ (2020年3月12日 18時) (レス) id: db0ac314d3 (このIDを非表示/違反報告)
猫太郎丸 - ヤバいです。涙が出ました。侑くんと夢主ちゃんのすれ違いがもどかしくて心が締め付けられます…。続きを楽しみにしています！ (2020年3月12日 17時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
湧緋(プロフ) - 猫太郎丸さん» わーい！！ありがとうございます！頑張ります！！！ (2020年3月3日 14時) (レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湧緋 | 作成日時：2020年3月2日 14時
