鬼ごっこ？ ページ4
ひそひそと聞こえてくるのは、
あんな庶民飯が好きとかwww
みたいな感じ。
「あと、嫌いな奴は、金持ちなのを鼻にかけて大して偉くもないくせにイキってる奴」
さっきにたにたとバカにしてきた野郎の頭を鷲掴みにしてそう言ってやった。
楓の手？あぁ、今楓がいじけてるから、それで察してよ。
「人の事どうこう言う前にその面と体型どうにかしようね？」
「っは、ぃ…」
「聞き分けのいい子は好きだよぉ。はい、わしの自己紹介おしまい。次どうぞ」
席に着くと当たり前のように手を握ってくる楓。
もう抵抗しないだわよ。はい。
「柊伊織です。仲良くしてね」
後ろの人はそう一言告げると静かに座った。
ほんでもって左の人。
「日比谷泉琉、身長168cm、んでえっと、体重が……」
「日比谷くん、もういいよ」
先生が声をかけると、「あ、そうですか？」とにこにこしながら席に着いた。
わし、かなり個性的な人達に囲まれたのでは？
「では、今日はここまで。これから寮を案内するから、準備が出来た人から寮の玄関ホールに集合してね」
そう言われてリュックを背負う。
いいや、背負おうとした。
わしのリュックがないのだが。
そして目の前には大きな影。
「あー…亜瑚ちゃんと泉琉くんは何をしているのかな？」
「俺の質問に答えろ」
「俺は何となく！」
「答えるんでリュックを人質に取るのやめよう？え、ちょっと待ってって！」
ごめんなさい。嘘です。答える気なんてこれっぽっちもないです。
返してもらったリュックを背負って廊下を全力で駆け抜けた。
「すんませーーーん!!!!!どいてください!!!!!わしが通るんで!!!!!」
足の速さには自信があったから、これで大丈夫だと思った。
でもねぇ、なんとびっくり。泉琉くんも全力で追っかけてくるのよ。
「い"ゃ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!なんで着いてくんの!?まじで意味わからんのですが!!!!!」
「逃げられたら追いかけたくなるもんでしょ!!!!!」
「それは鬼ごっこ限定だからぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「そうなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」
その後わしらは生徒指導の先生に捕まって1時間弱の説教を受けまひた。
ちゃんちゃん！
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作者名：いんく | 作成日時：2020年1月20日 18時
