あんスタ【もう1人の転校生】3 (ページ30)

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第109話ページ30

Knightsに所属が決まってから数日。

他学科と他クラスからの質問攻めに、あたしは憔悴(しょうすい)しきっていた。

オマケに、月永に関しては奇行に走るし。あんずちゃんには迷惑かかるし。ドリフェスの準備は手伝わなきゃいけないし。あー、忙しい。

アイドルとして本格的に仕事していた時よりは楽だが、関わっていく事に自分から元いた場所に戻っていくという恐怖が、胸のどこかで渦巻いて…。

時々、苦しくなる。

そんな時は基本誰か気づいて、声をかけてくるのだけれど。

貴｢お。瀬名～、おっはよ♪｣

抱きついたのは空。腕の中に瀬名はいない。いるのは、あたしの横。

瀬名｢おはよう｣

貴｢なんで避けるのよ～｣

瀬名｢俺に抱きついていいのはゆうくんだけだから。それに、俺一応アイドルだし｣

貴｢あー。そうね、じゃあ違う人…｣

キョロキョロと辺りを見回してから、見覚えのある背中を見つける。

走り出し、おっはよー！と、抱きついた。

蓮巳｢うわ！？なっ、な、にをする！橘！！｣

貴｢あれ？照れてるの？照れてるの？かっわいいねぇ、蓮巳♪｣

投げられた。地面に手をついてバク転。危ないなぁ。

瀬名｢…｣

羽風｢おはよう瀬名く…って、何怖い顔してるの？｣

瀬名｢はぁ？してないしぃ！！｣

キレ気味に答えた瀬名は、足早にこちらに近づき蓮巳とあたしを引き剥がす。

羽風(瀬名くん…まさか)