第73話 ページ35
目に見えないものの存在など信じていたわけではなかった。
むしろ、存在しないと思っていた。
感動の再会は炎の粉と化して消える。
燃え盛るのは怒り狂った感情だ。
炎の中に現実を見た。幼い頃に地獄を見せられた。
『お兄様ァ!』
手を伸ばして叫んでいる女の子がいる。家政婦に身体を抱かれ、その腕の中で、たくさんの涙を流しながら小さなアタシは叫ぶ。
ガラス細工の白鳥が堕ちて、割れて、破片は消えた。星のように光りながら。
踊る。
踊る。
燃ゆる音を奏に躍る。
『いやァァァァあああああ!!!』
どうしてアタシだけ…。
貴「見捨てたの」
アタシが最後に見た兄は。
熱い業火の真ん中で笑っていたのだ。
ボロボロと泣き崩れるアタシをみながら、また明日とでも言うように軽く手を振り、笑顔を浮かべる。
喜びに満ちた顔だった。
アタシが一度と見たことのない笑顔だった。
貴「良かったな」
アタシの目の前にいる黒い影。
貴「貴様らは、思われていたんだ」
メイリンとバルド…と言ったか。二つの記憶を仮り残り僅かな力を吸い取り、自分の力にして、アタシに会いに来た。
彼らが残した最後の力は…。
共に過ごした
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眠い少女(プロフ) - わぁぁ!頑張ってください!もし…よろしければ…友達申請してくれませんか? (2018年7月5日 8時) (レス) id: 5372210ae9 (このIDを非表示/違反報告)
顥(プロフ) - 眠い少女さん» お返事遅くなり申し訳ありません。遅くなっていますが、頑張ります。ありがとうございます! (2018年7月1日 22時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
眠い少女 - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: 5372210ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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