あんスタ【世界は続いている】4 (ページ7)

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第5話ページ7

ありえない不幸。

私たちの日常にそれは沢山ある。

例えば、今では当たり前の存在となっているネット関係の事件。

自分の顔をアイコンにしていた女の子の写真が勝手に使われていたり、管理不足で住所の流出だったり、ストーカーにつけられて命を奪われたり。

後は誘拐だとか、ハイジャックだとか、薬関係だったりだとか。

『私なんかが狙われるわけがない』

そんな事があるわけがない。

ましてや私なんて。

私の周りがなんて。

ありえないと信じていたから。そんなの夢物語にちかいただの妄想。非現実的すぎて、あまりにもかけ離れすぎているから、

いつか自分もそういう目に遭うかもしれない、という言葉が脳内にあるだけで、心に響いている訳では無い。

講演会があるだろう？でも暇だからだとか、また？だとか、飽きたと言って聞かないだろう。

当事者の悲しみも、痛みも、苦しさも、悔しさも。いくら言葉で伝えても、いくら映像で伝えても、伝わらない時だってあるのだ。

今、私の気持ちがわかる人はいるだろうか。

いるわけがない。

もしもいるとするならば、それはただの同情心。哀れむだけの無関心。

だってそうだろ？

『可哀想だよね』

しか、部外者は言えないのだから。

逆になんて声をかける？無理に決まっている。だって、自分のことではないのだから。そしてこの話は冒頭に戻る。

永遠に回転(ループ)しているんだよ。

何も言えない、見えない、向こう側の世界についてなんて。

燃え盛る飛行機に私は観た。

ああ。

私は。

今、愉快に笑うこの女を殺したいほどに憎んでいると。

誰が私の今の気持ちを分かってくれるだろうか。