あんスタ【世界は続いている】4 (ページ3)

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第1話ページ3

華｢…｣

羽風｢華ちゃん？｣

華｢あ、はい！｣

ガタリと席を立ち上がった華ちゃんは、あ…と声を漏らして、ごめん。と座った。

箸を置いて、ごちそうさまと再度席を立つ。オバサンが大丈夫？と声をかけると、曖昧に笑いながら、部屋へと戻った。

夕飯はほとんど食べていない。

オバサンがはぁ…とため息を吐く。

羽風薫は薄々と感じていた。

華ちゃんが倒れた件。本人が違うと言っても、本当は庇っているのではないかと。

大好きだからこそ、守っているのではないかと。

俺の件にさえ触れないものの、どうやらオバサンの中で、グルグルと何かが渦巻いているようだ。

羽風｢明美さん｣

明美｢あ、うん。なに？｣

羽風｢ごちそうさまでした。華ちゃんの分のお皿も下げますね｣

明美｢うん。ありがとう。ラップしてそこに置いておいてちょうだい？｣

後で食べるかもしれないから。と、オバサンは笑った。

笑みを返しながら羽風薫が返事をする。

ほとぼりが冷めるまでと貸してもらった自分の部屋へ行く。するとすぐノックが聞こえた。

羽風｢はーい？｣

飛び込んできた影。支えきれず、羽風薫は尻餅をつく。

羽風｢華ちゃん？｣

華｢…｣

グスン。

鼻をすする音が聞こえて、ああ。泣いているんだ。

羽風薫は華ちゃんの後頭部を撫でながら、大丈夫だよ。と、なるべく優しく声をかける。

その様子を開いた扉の隙間から見ていたワカが、目の色を鋭くさせた。