第12話 ページ14
貴「…疲れた」
あれから何回も抵抗してみたけれど、特に何もならなかった。
結構、頑丈に作られてんだな
オマケに暴れたら箱が回転して壁に当たったし。
貴「くそ…」
頼りにしていたカメラの明かりもそろそろ充電が切れそう。
暗闇は苦手なのに。
あの男の野太い怒声が耳元で蘇ってくる。
多数の罵詈雑言。道具のように性的暴行を加えようとするし、借金まみれで闇金業者に睨まれてるし。学生である身分の私に煙草買ってこいとか言うし、しかも販売機はダメとかさ…酒もあったっけ?
まさか私のアパート、突き止められるなんて、な。
話は過去に戻り、私が夜中に普段着で外に飛び出した時の話。
インターホンがうるさいくらいに鳴り響き、なんですか?と不機嫌極まりなく扉を開いた。その時、チェーンをかけるか、覗き穴を見てから開ければよかった。
「よう。A」
貴「っ」
無造作に生えた髭。ボサボサで癖のある髪。煙草でボロボロになった歯。汚れた服。
「やっと見つけたぜ。上がらせろ」
私の肩を押してドスドスと部屋に入り込む。リビングにつけば遠慮なくゴロンと寝転がった。
貴「ちょ、ちょっと…なんでここに!」
「案外綺麗にしてんだなぁ。そういや、前は家の家事はお前がしてくれてたっけ?」
貴「帰ってよ!!」
「あ?父親に向かって何だその口の利き方」
平手でなく、拳。
頬には激痛が走った。
倒れた私の腹を蹴り、殴り、奴は私の上に馬乗りになる。
手首を片手でつかみ、私の頭上で拘束。
乱れた息と、妖しく笑ったその気持ち悪い微笑み。そして想像通り奴の手は私の衣服の中へ入ってきた。
貴「くっそ、やめろ!!!」
全力で暴れた。思い切り大きな声で怒鳴られ、身体が強ばる。
「大人しくしてろ…前みたいに暗い物置にいられてぇのか?あ?」
だからって、
貴「じっとしてる、分けないだろ!馬鹿じゃねぇの!!」
42人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カグサ(プロフ) - 羽風先輩の執事服とか私得すぎてもうほんとに無理です(語彙力)連コメ失礼いたしました! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
顥(プロフ) - カグサさん» ありがとうございます。頑張ります! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 1話から一気に読まさせていただきました!とても素敵な作品だなって思いました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ