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第9話 ページ11

あれからアイドル科だけでなく、他の科の生徒達の教室も回り、楽しげな生徒達をカメラに収める。

カードの容量もあっという間に満タンになり、持ち歩いている分全てを使い切ってしまいそうだ。

貴(足りなくなる前に、1度部活に戻ってデータ移した方がいいな)

騒ぎ声が遠のいていく。部室までの廊下は真っ暗だ。こういう時、電気をつけたいと思うのだが…仕方ない。雰囲気を壊すのは良くないから。

慣れているから大丈夫だろう。そんな安易な考えをしていた自分が馬鹿だった。

暗闇へ踏み出して、壁伝いに歩いている途中。

大きな力で背中を押され、激しく転んだ。チリッとした痛みが膝に走る。擦りむいたか。

ガタンという音と、複数の靴音。そして微かな声で、正体は察しがついた。恐らく、私のことを影でコソコソ言っている女子生徒たちだろう。

バタン!!と聞こえて、無音になる。

手探りで腕を伸ばすと、壁。後ろも、左右も、上も下も、全て壁。

何かの、箱の中?ロッカーにしては縦の長さが足りない。というより、正方形に近い形だ。

拳で叩いてもビクともしない。ここはどこだ?誰もいないのか?

もしかして私は誰にも気づいてもらえないのではないか…?。

不安が私の心を渦巻いていく。怖い、手が微かに震えてきて、反対の手でその手を庇うように胸元で抱きしめる。

身体を小さく丸めて、必死に恐怖を押し殺す。

ピピッとした音に心臓が跳ねた。スマホ?そんなわけない。だって部室に置いてきたから…くそ、置いてくるんじゃなかった。

聞き覚えのある音。それは、一眼レフの電源が入った音だった。

身体を丸めた動きで勝手にスイッチが入ったらしい。画面に映っていたのは、さっき撮影した羽風薫とのツーショット。

貴「…」

縋り付いて、願いを込めた。

貴「ったす、けて、」

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カグサ(プロフ) - 羽風先輩の執事服とか私得すぎてもうほんとに無理です(語彙力)連コメ失礼いたしました! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - カグサさん» ありがとうございます。頑張ります! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 1話から一気に読まさせていただきました!とても素敵な作品だなって思いました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月26日 23時

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