黒子のバスケ【あの青春をもう一度】最終章 (ページ7)

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第46話ページ7

言葉なんていらない。

何も言わなくていい。

ただ君のその鼓動と、息遣いと、温もりだけで、じゅうぶんだ。

貴｢待ってなんかないよ。いつだって、私の前にいて、力をくれたのは他でもないあんただもの｣

全部自分のものにする。青峰の全部を、自分の一杯で包み込む。

貴｢時間は戻ってこないけど、私の想いは変わってないよ。私の想いは、ずっーと、青峰しか、想っていなかった｣

青峰｢A…｣

体を離して、上を向く。中学の時は、そんなに身長…変わらなかったのにな。

貴｢好き。青峰が、大好き…｣

願いが叶うなら、

もう一度君と、あの青春(じかん)を過ごしたい。

青峰｢俺も____｣

その先を紡ぐ言葉は、私の心臓を大きく打った。

花が咲くように、綻ぶ笑顔を浮かべると、青峰は顔を真っ赤にして、目を逸らす。

彼の厚い胸板に額を当てて、瞳を閉じる。

失っていた懐かしい温もりに自分のすべてを任せた。

肩に手を置かれ、ぎゅっと大きな腕に包まれる。私も、彼の腰に手を回し、もう一度、その身体を抱きしめた。

月明かりは優しくて、互いの息は、溶けるように消えていく。

一つの影に合わさった二つの影は、その先へと向かうように長く、伸びていた。