第105話 ページ28
白と獅子が勝負する戦場。でもやっぱり、勢いはLEONにある。
fineとLEONは正反対と言ってもいいだろう。OXと蓮の高低音が上手くハミングして聞き心地が最高にいい。
守のドラムパフォーマンスも華麗に決まる。青井＆赤井のブレイクダンスは観ていて本当に楽しい。
結果、虹色が多かったLEONの圧勝。fineは最後まで格好よくステージを降りていった。
だが、まだ熱は最高に達していない。
準決勝第2。
会場は、熱狂。
ｳﾞｧｲｽ｢…｣
榊｢ここに来て怖気付いたか？｣
小嵐｢可愛いお顔が台無しだよ〜？｣
山裾｢そんな事を言っている暇はありません。俺達も結構、やばいんですよ｣
ｳﾞｧｲｽ｢そうよ｣
白の天使は、燃えるルビーの赤を刃のように突きつける。
ｳﾞｧｲｽ｢私は、勝つ気でここにいますの。私語は謹んで。私の集中を邪魔しないでくださいません？｣
先行、ヴァイス。
ｳﾞｧｲｽ｢失礼｣
夕闇が、純白の天使を陽に染める。
優しいメロディが流れ、流れる絹のように柔らかく口元にマイクを運ぶ。
オレンジに輝く白髪が、赤い瞳に光を与える。
ゆっくりと奏でられる天使の歌声。騒がしかった会場が一気にヴァイスの作る雰囲気に包まれて、呑まれていく。
優しく、儚く、強く、芯のあるその歌声に聴き惚れる。
空のどこまでも響き渡って気持ちいい。
朱桜｢…ぁ｣
そして、みなに一筋の雫さえ落とさせる。
表情を抱きしめる声。敷かれた音楽に乗って流れていった。
静かな沈黙の後、最大の歓声。
頭を下げ、再び上げた。そこに居たのは、聖母のように微笑む天使。
そしてあたしに向かって拳を突き出す。
『待っていろ。すぐにそっちに行ってやる』
それは、あたしに対しての宣戦布告だ。
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作者名：�� | 作成日時：2017年7月25日 10時
