あんスタ【もう1人の転校生】9 (ページ25)

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第102話ページ25

病院につくと、OXよりも酷い状況だった。

たくさん線がついてて、ていうか顔とか包帯グルグル。面影ないじゃん。

守｢あっ｣

病室の扉が開く音に振り向く。先生を連れてきてくれたんだ。

なんて言っても、ほとんど何言ってるか分かんないけどね。取り敢えず、重症であることだけは分かった。

視界がぼやける。あー…あの時と同じだ。

ミウラが、事故った時と似た感覚。

守｢！｣

肩を強く捕まれ、その衝撃にパチン！と目が覚めた。何？と聞く。守は、顔を強ばらせて大丈夫？と手話。

うん、と頷き寝ている兄の頬に手を当てる。包帯の感覚が邪魔だなぁ…。

いっつもあたしのこと大好きで、スイーツ1個で喧嘩しちゃって、本当は誰よりも家族の事考えてくれてるのに冷たい態度とっちゃってたね。

なんて悔やんでも、もう遅いんだよね。

貴｢ねぇ守｣

守｢…、？｣

貴｢…戦うのも大切だけど、逃げることも忘れないで。死んだら、今度こそ何も残らないし、七瀬の思い通りになっちゃう｣

守｢…｣

重い空気が、ジワジワと言葉を内へ響かせて嫌な心音が耳元で鳴っている。

貴｢あたしはフォルスェスを見届けなきゃいけない。LEONも参加するんでしょ？｣

コクリと頷いた相手をあたしはぐっと抱き寄せた。

貴｢明日、絶対に固まって動けよ。あたしがいない所で何かあったら、榊やヴァイスを頼るんだ｣

守｢…｣

貴｢あたしは、fineの方に集中する。絶対に、一人になるなよ。絶対に、負けんなよ｣

守｢…｣

力強く頷いた戦士の身体は恐怖にガクガクと震えていた。

まるごと抱きしめて、あたしの思いを託す。

お願いします。

神様がいるなら、どうか守ってください。

なんて、勝利の女神をあてにしてみたり…。