第101話 ページ24
OX｢なん、だと…｣
守｢…｣
ハナサク。LEONの控え室では、守から報告を受けたメンバーが口をぽかんと空けている。
OXの拳が壁を叩いた。パラパラと屑が落ちる。ヒビが入る。大きな力は湧き上がり、ワナワナと震えている。
ギュと下唇を噛み締めて、OXは自分の頬を殴った。
OX｢…まだ、
靴を鳴らして、OXは乱暴にドアを閉めて出ていってしまった。
青井｢OX先輩…っ｣
赤井｢…大丈夫、なんでしょうか｣
蓮｢なわけないでしょ、気が気じゃないわ｣
蓮は守の肩に手を乗せた。少年の身体が震える。
蓮｢立てる？｣
守｢っ｣
顔を引き締め、頷く。よしっ、と蓮はマントを靡かせ行くわよとみんなを先導。
蓮(終わるまで、最後まで、涙は流さないわ)
貴｢…｣
瀬名｢A？｣
貴｢ん？あぁ、ごめん！もう始まっちゃうね｣
スマホをバッグの奥底にしまい、髪を絞め直して瀬名に駆け寄る。
瀬名｢なんかあった？｣
貴｢迷惑メール｣
瀬名｢ふぅん。俺もそういうのよく届くよ｣
貴｢ホント迷惑よね〜？｣
視界がぼやけて、今にも倒れてしまいそうだ。
嫌な汗ばかりが頬を流れ、首元に落ちていく。そう、涙のように。
ヘッドセットを着用し、再びステージに向かう。通路に置いてあるカーテン付きの長方形の箱(通称 �� 早着替えBOX)を立てて、そこを通ると、あたしお得意の『早着替え』が完了。
Knightsの衣装が風で揺れる。
包まれる歌声と、優雅なダンスに人目を奪いながらモニター越しに、剣を交わす。
紅が躍る。獅子が牙を剥く。騎士が戦場で剣舞を魅せる。
それぞれの戦場を、とくとご覧あれ。
今、この瞬間を、
とくと、ご覧あれ。
きっとこの言葉は、あたし自身に刻んだ言葉だ。
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作者名：�� | 作成日時：2017年7月25日 10時
