あんスタ【もう1人の転校生】9 (ページ22)

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第99話ページ22

瀬名の歌声から、鳴上に紡ぐのは朱桜。導いた先、幕を開けるのは朔間弟。

待っていた四人の騎士に導かれ、手を伸ばし掴んだ裸の王様。

揺るぎない戦術で火花を散らす煌びやかな空想(ファンタジー)。その時間を、千里の馬に乗って駆ける。

ずっとそこにあった武器(けん)に、今度こそ強くあると、この混沌の世界で戦い続けると誓う。

自分の信念を誇り高く掲げて。

サイリウムが映えるこの戦場の七色の戦火に目を奪われながら、

今度こそ、『真の王様』は決まる。

さぁ、『詰め』(チェックメイト)。

瀬名が伝える自由に、朱桜の声が天高く響き渡る。神聖な場所で微笑む鳴上のそばで、朔間弟の花は、開く。

そこに光(ゆめ)を願う月永。

見えない敵と、襲いかかる不安(きょうふ)に真正面からぶつかって散ればいい。

きっとその煌めきは一瞬で、最高の戦い(パフォーマンス)は、声の届く限り最後まで輝かせるんだ。

舞台(ステージ)で誓い合う。ここにある限り、どんな敵からも逃げないと。

その剣舞を、踊り続けると。

月永の歌声が淡い光に揺らめき、鳴上が次の道を照らす。繋いだ朔間弟の世界が裏と表を描いて、瀬名が掴む。

そして、全てを朱桜が抱きしめる。

ずっと傍にあった武器(けん)に、今度こそ強くあると、この混沌の世界で戦い続けると誓う。

一緒に闘い抜くと約束した仲間達と共に。

自分の信念を誇り高く掲げて、サイリウムが映えるこの戦場の七色の戦火に目を奪われながら、

今度こそ、『真の王様』は決まる。

さぁ、『詰め』(チェックメイト)。

もう二度と、色を忘れない、星々の騎士が奏でる歌に乗せて。