第69話 ページ32
守｢っ、はぁ｣
裏庭。
何とか追いかけてきた奴らを撒き、流れる汗をグイッと拭う。
ウィッグを外して、前髪をかきあげる。
ハッキリと見える視界に、何かが入った。草むらから覗いている。
守｢…(・ω・ )!｣
日々樹｢フフフ…見つかってしまいましたか…☆｣
デデーン！という効果音がつきそうな登場。守は逃げようとするも、進行方向に腕がある。背後にも。退路は絶たれた。
これはいわゆる、壁ドンと言うやつか…！守は、変な汗をかいて頬を赤く染める。
日々樹の顔が近づいて、耳元で逃がしませんよ…と囁いた。吐息と声に守は肩をビクつかせ、目を瞑って下を向く。
熱で潤んだ黒の双眸を上げる。整った長い髪の王子様は、ガラスのように透明で、曇一つない美貌。
その顔が段々と近づいてきて、守は思わず目をぎゅっと瞑る。
スパコーン！！！という音がして、目を開けると日々樹を後ろから殴った男がいた。日々樹が頭を抱えて屈む。
真白｢たく、何やってるんですか！｣
自分より小さな可愛らしい眉が特徴の少年。日々樹は平然とナイスヒットですよ友也くん…☆と笑っている。
そんな日々樹を『気持ち悪い』と思いながら冷たい目で蔑み、守に大丈夫ですか？と声をかける。
変な気持ちを味わった守は胸に手を当て今だ鳴り止まない心臓の音を感じていた。
真白｢ていうか、あんた誰ですか？｣
嫌な汗から、冷や汗が流れる。
守は手に持っていたウィッグを被り、真白の肩を掴んだ。
真白｢へっ｣
そのままワンツーで自分と真白の立ち位置を入れ替える。
真白が頭に疑問符をたくさん浮かべている間、守は再び全力ダッシュ。
真白｢あ、逃げた！？｣
逃げた先にもいた3Ａのクラスメイト。
守の鬼ごっこはまだ終わらない。
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作者名：�� | 作成日時：2017年7月9日 0時
