第76話 ページ38
貴｢おっはよぉ〜☆｣
朝。堂々と遅刻してきたあたしは、豪快に教室の扉を開ける。モブ男子たちが、笑いを含んだ挨拶を返してくれた。
そして、後ろの少女に、ざわめきを残す。
｢もしかして…青井蒼藍ちゃんじゃ…？｣
｢えっ！？それって、あれだろ？オルドルの…ギター！？｣
｢うっそ、まじ？本物？やっべぇ、すげぇ！｣
貴｢おはよ♪｣
羽風｢じゃないでしょ〜？その子、本当に青井蒼藍ちゃんなの？｣
あたしの背中に隠れる青の髪。青の瞳に小柄な体。その声色も、顔も、全て本物だ。
貴｢ほら！挨拶☆挨拶☆｣
青井は一歩踏み出し、息を吸った。そして、羽風の机に飛び乗り、
青井｢どーもこんにちは☆オルドルのギター兼バックダンサーそして、時にはコーラス＆ソロ担当してます！青井蒼藍です☆今日は、元同じユニットメンバーにして、学園の今でも大好きな先輩、橘A先輩の通う学校にお邪魔しま〜す♪｣
ぺかっとした輝きを放ちながら、青井はクラスメイトたちに敬礼をする。
身軽にクルリと宙返りをして、着地する。その華麗な動きに、拍手が起こった。
守沢｢おお！凄いなぁお前！取材とか、なんかなのか？｣
青井｢いーぇ！私の勝手な独断行動です☆後で、おっちゃんとか、まもっちゃんとかに怒られそうかなぁ…｣
シュンとしょげた姿は子犬のよう。その可愛さにデレッデレな、男子たちは目をハートにしてそんなことないよと励ますも、
青井｢へ？なんで分かるの？だって、同じメンバーじゃないよね？｣
毒を振りまき、ダメージを受けて倒れる様を青井はニヤニヤと笑っていた。
羽風｢い、意外と、イジワルな性格なんだね…？｣
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作者名：�� | 作成日時：2017年5月28日 22時
