あんスタ【もう1人の転校生】5 (ページ36)

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第74話ページ36

蓮巳｢すまんな。神崎、鬼龍。こんな時間まで生徒会の仕事を手伝ってもらってしまって｣

鬼龍｢気にすんな｣

神崎｢蓮巳殿のお役に立てたのなら、嬉しいのである♪｣

暗い道を並んで歩く三人の影を満月が照らしている。聞こえる静かな足音三つの中に、一つ、違う音が混じる。

それを、鬼龍は聞き逃さなかった。

鬼龍｢なんか、聞こえなかったか？｣

神崎｢いや、我はなにも…｣

蓮巳｢あっちからだな｣

不思議な音に誘われて、三人は狭い通路へ向かった。

｢くっそ、離せっ…！！！｣

蓮巳｢女の声？おい！何をしている！｣

シルエットは二つ。そのうち一つは、女のもの。もう一つの影は蓮巳の声に驚いて、逃げた。追いかけようとするも、通路は狭い上、相手が物を投げてくる。

追いかけられる状態になった時は既にもう一つの姿は消え、月を隠していた雲が風で流れていく。不気味に、木々が鳴っていた。

蓮巳｢なっ｣

現れた姿は、上半身の服が少し乱れた女。OXだ。そしてその横に捨てられたように置かれているものがある。

見えそうで見えない。OXが服を着直しながら、体でそれを隠した。

OX｢助けてくれてありがとう。すまないが、何か羽織れるものを持ってはいないか？｣

蓮巳｢だったらこれを使え｣

蓮巳は素早くブレザーを脱ぎ、OXに渡す。OXは受け取り、その影にかけてあげた。

鬼龍｢そいつは？｣

OX｢…｣

OXが、影を抱き上げる。青い髪色、見た事のある少女に蓮巳と鬼龍は眉を寄せて、そして、その少女の格好に目を疑う。

神崎｢どうか、したのであるか…？｣

その少女は、ほとんど服を着ていなかったのだ。