第71話 ページ33
OX｢…｣
守｢…| ･ω･)｣
OX｢…｣
守｢…(･ω･｀)｣
OX｢…｣
守｢…| ･ω･)｣
OX｢なんだ｣
夕暮れの道を歩く二人の影は一本道に伸びている。この先は、あたしの家でもあり、守の家でもある…つまり、我が家へ帰る道だ。
守｢…｣
守は指文字を胸元で作っていく。OXは横目で睨むように見ながら、守の質問に応じた。
OX｢どうだろうな。だが、あまり下手に動きすぎると、計画は全てパーになっちまう。後は、Aに任せるしかねぇだろ｣
守は問う。
OX｢あ？まぁ、助けるとこは助けるさ。うちらは、仲間だからな｣
守｢…(p`･ω･´q)｣
OX｢テメェもそうやって笑ってろ。Aも、そっちの方が喜ぶさ｣
家につき、守は素早く指文字で『寄っていってくれ』とOXに伝えた。相手は渋々だったが、考えた末、邪魔することに決めたらしい。
守は嬉しそうに笑顔を向けて、玄関のドアノブを下に引いた。
ネットリとした、感触。
守はその手を見る。得体の知れない液体…いや、ジェル？白く、ネトネトと手にまとわりつき、独特な香りを放ってくる。
守｢…！？っ、ぅっぐ、うぉぇ……！！｣
OX｢なっ、どうした！守！おい！｣
内から来たものを全て出した。息を荒立てている守の背中をOXは優しくさすってやる。
騒ぎを聞きつけた康人が家から出てきて、有様に目を見張り、水とバケツ、そして雑巾とタオルを持ってくると家の中へ戻る。
OX｢大丈夫だ、落ち着いて、息、しろ｣
鼻の奥に、こちらまで誘われる臭いに耐えた。そんな中、OXの横目に映ったのは、Aのファンらしき人影。
暗闇だが、分かるほどに興奮しているようだ。汗ばんだ顔、そして火照った表情と、片手で抑えている下腹部。
OX｢やろぉ！！！！｣
ギターケースを放り出して、OXは走り出した。守が咳き込みながら、走っていく彼女の背中に手を伸ばす。
だがその思いは届かず、守はその場で気を失った。自分の名を叫んでいる康人の声を、遠くに響かせながら。
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作者名：�� | 作成日時：2017年5月28日 22時
