あんスタ【もう1人の転校生】5 (ページ32)

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第70話ページ32

スマホの画面が、点滅する。

貴｢違う！ここは、もっと素早くターンして！｣

音楽に合わせて、指示をしながら踊る。汗を床に落としながら、パフォーマンスを完成させていく。

スマホの画面は、未だに点滅中。

月永｢ん？｣

暗闇の中で光る小さな端末が、月永の視界に捕えられた。

月永｢…！｣

〔AちゃんAちゃんAちゃんAちゃん〕

永遠と送られ続ける歪んだ愛のメッセージ。

月永は思わず口元を抑え、震える手であたしのスマホを掴んだ。バッグの中から引き出すと、送られ続けられるあたしの名前を呼ぶメッセージ。

〔好きだよだから、戻ってきてよ～(＞＜)〕

月永(なんだこれ…一人じゃない、不特定多数の奴から、送られてる…？)

覆いかぶさる影。

月永は後ろを振り返った。全身の熱が一気に冷めて、凍える。

貴｢…｣

月永｢あ、す、すまん、A…｣

貴｢…｣

屈み、月永の頭をクシャクシャに撫で回してやる。身構えていた月永はいきなりの出来事にうひゃあ！？と、叫びながらスマホを落とした。

貴｢あたしって、愛されてるよね～☆｣

反吐がでるそんな言葉を、前向きに捉えてみよう。そうしたら、笑えると思う。

月永｢気持ち悪いだろ、まさか、返信なんてしてないだろうな？｣

貴｢してないよ？もちろん。まぁ、してもある程度範囲は決めてるし｣

立ち上がり、腰に付けていたタオルを取る。汗を拭う。

貴｢でも、なんであたしのメールアドレスやらなんやら、知ってるんだろうね？｣

きっとこれは、

歪んだ七瀬(あいつ)からの監視(メッセージ)。

ずっと、見ているよっていう…言伝(メッセージ)。