あんスタ【もう1人の転校生】5 (ページ27)

今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:80,093 hit

第65話ページ27

貴｢…｣

お昼ご飯が喉を通らない。机の上には置かれていパンの袋も開けず、ただボーッとしているだけ。

変な様子に気づいた瀬名があたしの顔を覗き込んだ。驚いて、小さな悲鳴をあげる。それを羽風がからかってきたので、思いっきり、羽風の額をデコピンしてやった。

守沢が口内に白米を含みながらなにやら話しかけてきた。何を言っているか、全然わからない。瀬名が、汚いから飲み飲んで話せと叱咤した。

守沢｢何があったかわからないが、元気を出せ！お前は、笑顔の方が似合うぞ☆｣

ちゃっかりと、女の子が惚れそうになるセリフを捨ててきやがって…。ぷっと笑って、そうだねと、頷いた。

その時、教室後方の扉が開く。見覚えのある少年が二人。

明星｢A～☆｣

紫之｢A先輩～♪｣

貴｢明星！紫之！｣

席を立ち上がり、二人に近寄っていく。扉を全開にしてそれに寄りかかりながら、どうかしたか？と、首を傾げる。

明星｢しののんが、Aと共演出来るって聞いて、話したかったんだって～！｣

紫之｢はい♪僕、全然アイドルとしては至らない所が多いですが、全力で頑張るので、よろしくお願いしますね♪｣

貴｢…おう！そうか！よろしくなぁ☆｣

二人の頭をこれでもか！と言うくらいに撫で回し、階段を降りるまで見送ってやる。

振った手をゆっくりと下ろして、自身の席に戻った。

一部始終を見ていた三人に笑いかける。瀬名が頬杖をつきながら、口を開いた。

瀬名｢まさか、仕事のスペシャルゲストってあんたのこと？｣