あんスタ【もう1人の転校生】5 (ページ19)

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第57話ページ19

ゲームセンターとは、誰もが楽しめる『娯楽』…だと思う。

色々な種類のゲーム＝戯れがある。だがそれは、＝ギャンブルと言ってもいいかもしれない。

金の当たりが分からないように、目先の欲しいものは手に入りにくいのだから。

それ欲しさに、人は金を注ぎ込み、結果、財布の状況が厳しくなるのだ。

でもそれは表向きで、奥へ行けば行くほどに『天才』がいる。

そして、凡人はそこにいつしか踏み込むのを躊躇うのだ。

だってそこには、『非凡』な人間が溢れているのだから。

画面に映し出されているのは、perfectの文字。

映し出されているダンサーの指示に合わせて踊るあたしと、OX。一音の狂いもなく、点数を稼いでいく。

音楽の最終。音に合わせてポーズを決める。

拍手喝采。観客は関係者だけでなく一般人も増えてきた。煩い音色の中にある囁きは、あたし達の正体の話だろう。

注意する暇もなく、最終曲へ。ルーレット機能を使い、ランダムに選ばれた曲がモニターに映った。

貴｢これが最後ね｣

OX｢同点だったが…これで、決まるな｣

流れた汗を拭った。右手首の水色のリストバンドに、深い青のシミができる。

その手を上にあげ、結んでいた髪をほどいた。頭を振って、乱れた髪をさらに揺らす。

｢やっぱり！鬼門のリーダーよ！そして、オルドルのAちゃんだぁ！！！｣

声は、黄色に変わる。そして、炎のような興奮が会場を包み込む。

貴｢負けないよ☆｣

熱気を纏う。あたしは、横にいるOXへ方目を瞑った。

もう、滴る汗を拭うことは無かった。

勝負の終曲が、響き渡る。