第49話 ページ11
貴｢いてっ｣
リビングのソファに腰掛け、守が丁寧に手当をしてくれる。
あたしの隣には瀬名が座っていて、兄貴はキッチンで茶を注いでいる所だ。
瀬名｢まあ、そうよね…。弟の守くん…だっけ？確か、声、出なかったし……あんまり、表情豊かって感じもしなかったしぃ？｣
守｢…(´◉ω◉` )｣
瀬名｢な、なに？｣
貴｢確かにそうだけど、やっぱ言われれば悲しいような面白いような気持ちって顔だね｣
テーブルに置かれたコーヒーの香りが、あたしの呼吸を整えた。あー…今までちゃんと息してなかったのかな。
康斗｢で？瀬名くんは、Aとどういう関係？｣
黒い笑みを向けながら微笑む兄貴をあたしが睨む。瀬名も呆れたように笑いながら、クラスメイトですと答えた。
守が立ち上がり、リビングの戸を開けるとゴールデンレトリバーが入ってくる。我が家の
あたし達に近寄れば、ソファに飛び乗って瀬名の膝を枕に寝てしまう。
瀬名｢な、なにこいつ！？｣
貴｢おっ、気に入られたんじゃないの？良かったじゃん｣
瀬名｢帰れないんだけどぉ？俺、Aを家に届けたらさっさと帰るつもりだったしぃ？｣
貴｢なんなら泊まってけば？部屋は守の所でいいでしょ？｣
守は首を縦に振る。良いということだろう。
貴｢んじゃ、決定ね☆｣
あたしは立ち上がって、自分の部屋へ向かった。とりあえず、自分の道具を片付けねば！
あたしが消えた後、追うように守がリビングを出る。気まずい空気がリビングを漂い、不意に康斗が口を開いた。
康斗｢瀬名くん。君は、本当に、Aのなんなんだい？｣
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作者名：�� | 作成日時：2017年5月28日 22時
