7話 ページ8
急に溢れ出した涙はだんだんとノートの上のシミを増やしていく。
拭っても拭っても、止まることを知らないかのように溢れてくる。
周りの心配の声を聞くのが嫌で、こんな自分誰にも見られたくなくて、勢いに任せて教室を飛び出した。
廊下では友達と話している人も何人かいて、どこへ行っても視線が私を離してくれない
本当は気づいてた
自分の心が、もう無理だって叫んでる事を知ってた
でもずっと目を背けてきた
だって…
だって向き合ってしまったら…
「Aちゃん!!こっち!」
後ろから聞こえたと思ったらいつの間にか腕を掴まれて前へ前へと走り出していた。
私の前で揺れるキレイな赤髪
なんなんだほんとに。
私にかまっていて何が楽しいの
馬鹿にしてるの?
同情してる?
私はそんなかわいそうな子じゃない。
いくら心が限界だと叫んでいても関係ない
私は1人でも大丈夫。
自分の価値なんて、子供の時から理解してた。
…はず…なのに
男の子にしては小さな背中に
折れるんじゃないかっていうくらい細い腕に
どこか安心感を覚えてしまっていた。
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あうら(プロフ) - 花さん» こちらこそありがとうございます! (2021年3月30日 20時) (レス) id: 112c0791ec (このIDを非表示/違反報告)
花 - 最高なお話をありがとうございます! (2021年3月30日 19時) (レス) id: f4df643b91 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - えっえっ大丈夫?泣くよ?お父さん………私のお父さんも中々家に帰ってこないんだ…仕事だから仕方ないんだけどね、普通に優しいし。帰ってきても夜中だし、休日だってほとんど居ない。でもこの小説に出てる子はそれよりもっと……。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: 2b9e869a8a (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - あうらさん» こちらこそありがとう!素敵な作品、いつも楽しんで読ませてもらってます。笑 更新されていない間も何回か読み返してたんだー!笑 (2020年12月20日 21時) (レス) id: 2b9e869a8a (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 更新ふぁいとーっ! (2020年12月20日 21時) (レス) id: 2b9e869a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あうら | 作成日時:2020年4月15日 23時