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13話 ページ14

こ「記憶が無くなるの…?」








あぁ、








全部夢だったらいいのにな…









「…うん、そうだよ」








心で思っているより、口から出た言葉は落ち着いていた。







ころんくんはどうしたらいいか分からないのか、視線を斜め下に落とす。









やだな









同情とか…されるのかな









「…ビックリだよね〜、だから職員室の場所も覚えてなくてw」






出来るだけ明るく、心配させないような口調で言った。









ころんくんは少し黙ってから不思議そうに言った。








こ「職員室のやつって昨日じゃね…?大神さん覚えてんの?」









意外と鋭いな…









ていうか、記憶が無くなるだけじゃなくて、1日で消える事までしってるとは…








ガッツリ日記見てるじゃん









私はいつの間にか何かを諦めていたのか、内心笑いながら言った。








「日記なくて…寝てなかったから覚えてる」









こ「え!?だから今日そんな顔色悪いの?」









ころんくんは目を見開いて言った。









そんなに酷いかな…



私は手を頬に当てて言う。








「そ、そんなに酷い?」









こ「うん。チベットスナギツネみたいな顔してる」









頭を鈍器で殴られたような感じがする。









チベットスナギツネってあれだよね…







目がほっそいキツネ。









なんなんだこいつは。








もちろん声には出さないが、それが女の子に言うことなのか。








なんでこの人が女の子にモテるのか分からない。








「…私、帰るね」







心なしか、頭もガンガンするしとにかく眠い。









私はころんくんに「じゃあね」と言うと背を向けて歩き出した。








ころんくんがまた私を呼び止めたような気がしたが、今の私の耳にはそんな事は入ってこなかった。









頭が痛い









目の前が霞んでいる









今すぐにでも目を瞑って眠りたい









そんな考えをしながら歩いていたからか、









廊下の突き当たりを曲がった先の階段で…









ハッとした時にはもう遅かった。









私の足は1歩前に歩みを進めていて









体が宙に浮く感覚がする。









その時、またころんくんの声が聞こえたような気がしたけど









やっぱり私の耳には入ってこなかった。

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うい(プロフ) - 凄く「今夜、世界からこの恋が消えても」と似てて小説の発売日と照らし合わせたら主さんの方が先にネタ思いついてて腰抜かしました…めちゃくちゃ面白いです😸💞 (2023年2月21日 2時) (レス) id: ed6dd285e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - ころんくんが家に泊めるときになーくんに電話してたときの泊めるの字が止めるになってましたよ 上から目線でごめんなさいm(_ _)m (2022年5月17日 6時) (レス) @page29 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - そうです! 一度検索しみて下さい。 (2019年5月5日 11時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)
あうら(プロフ) - 白玉さん» テレビか本とかですかね…? (2019年5月4日 21時) (レス) id: 5af2deacde (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - これ読んだ瞬間「掟上今日子の備忘録」っていうの思いだした (2019年5月4日 20時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あうら | 作成日時:2018年10月14日 23時

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