制服姿のあなたも、 ページ42
夜中。
わたしと無惨さんは、とりあえず今日はとこの家で寝ている。
ーーーそういえば無惨さん、朝と昼は大丈夫なのかな
学校に通うならどう足掻いても太陽に晒されるけど…………
ぼんやりと眠い頭で考えていたが、うとうとしているうちに眠りについてしまった。
翌日。
「おは………………」
愕然。
カーテンから差し込む、陽の光。
布団から半身を出して目を見開いている無惨さんは、
確かに太陽の光に晒されていた。
「…………うそ」
無「…………どういう、事だ?」
なのに、彼の身体はなんともない。
本来ならここで喜ぶ事が筋だろうが、わたしも無惨さんもあまりに急な展開に気が動転してしまっていた。
とりあえずわたしは、いつも通り学校へ行った。
その間、無惨さんは驚いているだろうが新居の手続き等諸々を済ませてくれた。
運の良い事に、即日入居可能な物件が見つかったらしい。
また、その日のうちに無惨さんの編入手続きも済ませたらしい。
金銭的な問題は、所持していた大正時代の貨幣を換金して対処したと後から聞いた。さらっと凄い事をする人だ。
ーーーそして、一週間もしない内に無惨さんはわたしの通う高校へとやって来た。
『あの転校生?めっっちゃかっこよくない!?』
『背たっか………やばいやばい惚れた…………』
『やばいイケメン…先生?』
『いや制服着てるよ!えーうちのクラスがいいな…』
薄々想定はしてた周りの反応に、
無惨さんは反応を示さないどころか気づいてもいないようだった。鈍感………
朝、初めて制服姿の無惨さんを見たけど…
すごくかっこよかった……!!!!
その姿を見た瞬間、目を見開いて変な唸り声をあげてしまった程に…。
ーーー
下駄箱。
無「Aとはここで別れねばならんのか?」
わたしと居られないことに不満そうな無惨さん。
「はい、でも授業が全部終わったらまた会えますから!」
無「……そうか」
彼は三年、わたしは二年。
当然クラスも、それどころか階も違う。
この半年間、彼とほぼ常に一緒にいることが当たり前だったわたしは不意に寂しくなる。
「…わ」
しかし、それは彼も同じだったようで。
無「…後でAを教室まで迎えに行く
待っていろ」
無惨さんにぎゅ、と抱きしめられた。
無惨さんを十分に補給したわたしは自分の頬をぺち、と叩いて笑顔で手を振ったのち、クラスへと急いだ。
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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時