ひかりふる【鬼舞辻無惨】 (ページ32)

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絡みつく過去ページ32

それからは呆気なかった。

酒に溺れ、

煙草を山程ふかし、

女の人を何回取っかえ引っ変えしたかわからない。

女の人の事で気に食わないことがあると、

僕に当たってくるようになった。

〝てめェみたいなお荷物野郎がなんで生きてンだよ〟

〝俺はもうお前を養うのに疲れた〟

〝とっとと死ね〟

「…しあわせだったあのときに
もどれたらいいのになあ」

ーーー

夜中、家を抜け出した。

あてもなくふらふらと歩いていると、見知らぬ森に辿り着く。

足音。

振り向く。

見たこともない、異形のいきもの。

もしかしてこれが、鬼？

鬼『ガアァァッッ!!!!!!』

飛びつかれる。

ああ、僕ここで死ぬんだ

鬼、母さんを殺した憎い相手だけど

僕の人生もうめちゃくちゃだし、そんな事もうどうだっていいや。

目を瞑って、僕は抵抗さえしなかった。

ーーーザシュッッッ!!!!!!

何かを、斬る音

鬼…?の、断末魔

目の前、血飛沫

からだ………抱きかかえられてる

？「きみ、大丈夫？」

どうやら、僕はまだ生きているらしかった。