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青が映えるよ ページ24

う……今すぐにでも何か食べたい……………


無「む……今は朝だな、どうしたものか」


無惨さんはなにか考えるような素振りをしている。


「ど、どうかしたんですか」


無「ほら、鬼は日が出ているうちは外に出ることが出来ないだろう
夜なら私が人間に化けて何か買ってくることが出来るが……」



無惨さん、人間に化けれるんだ……


って、私の事気遣ってくれてたんだ…!!



「あの、お気遣いありがとうございます
でも大丈夫です、わたし1人で行けますから!」



そうだ、気を遣わせてばかりじゃいけない。

外に出るくらいなら大丈夫なはず。



無「……そうだな、軽い外出くらいなら…………

…鳴女」



ベェンッ



「!?」


聞き覚えのある琵琶の音と共に、今いる空間が変わった。



目の前にいるのは、無惨さん……じゃなく………?




「え………と、」



鳴「初めまして………
私 鳴女と申します」




長い黒髪に、伸びた前髪で顔の上部が隠れている女性。



鳴「失礼致します」



「え、えっ!?」




彼女は急に、わたしの着ていた制服を脱がさせ始めた。



鳴「無惨様からお話は伺っております
未来の服のままでは外出の際目を引いてしまう、との事で…………」



「あ、そ、そうだったんです…ね」



びっくりした…。


この人…鳴女さんは無惨さんの側近の方なのだろう。




……やっぱりちょっと恥ずかしいけど………




一通り脱衣を済ませると、鳴女さんは三つの着物を提示した。



赤、青、黄色。



「(好きな色を選べ…って事?)」



「えーと、じゃあ…青で」



わたしは青が好きだから、優柔不断を発揮しつつも青を選ぶ。



鳴女さんはこくりと頷くと、器用に着付けを行ってくれた。


ーーー


鳴「…!」



着付けが終わった。



この部屋にある鏡を振り返ると、



そこにはーーー変わり映えしたわたしが映っていた。


思わず、感嘆の吐息が漏れる。


鳴女さん、すごい…!!



「すごい…綺麗!!
鳴女さん、ありがとうございます!!」




着付けを施してくれた鳴女さんに感謝を伝えると、彼女はこくりと頷いた。



間もなく琵琶の音がまた響き、



元の部屋に戻っていた。




無「A……!!」


無惨さんはなにやら目を見開いている。


「無惨さん!!
鳴女さんが着付けしてくれたんです〜!どうですか、わたしでも変じゃないですか…?」



すると彼は、見開いた目を少しずつ微笑みに戻し



無「とても、綺麗だ」



と、言ってくれた。

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作者名:スイ | 作成日時:2020年1月25日 22時

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