押して押して押しまくれ【岩泉ー】

２６.岩泉side ページ26

*



人をおしのけて行くと、そこには倒れた姿のAがいた



ドクンッッ


心臓が嫌な跳ね返り方をした


岩泉「Aっ！！おいっ、んだよこれ…」

なな「あ、い、岩泉くん…」


Aの周りには中野と複数の先生がいた



なな「先生っ、救急車は…？」


泣きそうな中野が保健の先生に聞いた


先生「大丈夫、息もしてるし心臓もちゃんとしてる動き。軽い脱水症状ね」

なな「あ…そういえば、A今日1回も水飲んでない…」



保健の先生は、元看護師だからよく分かる


”息もしてるし心臓もちゃんとしてる動き”

”軽い脱水症状”



この言葉を聞いてホッとした


先生「とりあえず保健室まで運ばなきゃね」

保健の先生が、タンカ持ってきてー、と1人の先生に言った




岩泉「いい、俺が運ぶ」


そう言ってAを持った

世にいうお姫様抱っこっていうやつ

恥ずかしいとか気にしてる場合じゃねぇ


先生「あら、大丈夫？タンカあるけど」

岩泉「大丈夫っす、保健室までなら余裕っすから」

先生「そう？じゃあよろしくね、先生後から行くから」


俺は急ぎ気味で保健室へ向かった


つか、軽すぎだろこいつ

飯食ってんのか？


ちらっとAの顔を見てみると目を瞑っていて、なんだか悲しそうな表情だ


なんでそんな悲しそうな顔なんだよ

いつもうるさいせいか知らねぇけど、なんか変な感じだ


つか、なんで俺Aを運ぶって言ったんだよ

タンカあるだろーがよ


自分のした行動に疑問をもちながら保健室へと急いだ

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