押して押して押しまくれ【岩泉ー】

１２.わたしside ページ12

『えっとーどちら様？？』


1年生かな？

全く見ない顔だ


男「あのっ、ちょっと話しがあるので来てもらえませんか？」

『え？うん、別にかまわないけど…』


そう言って歩きだした

着いたのは屋上へ続く階段

屋上へは行かず、扉の前で立ち止まった


『は〜つかれたぁ！それで話しってなにかな？』

男「えっと……お、俺中川さんのこと入学式で見たときから好きでした！だから付き合ってください！」


そう言って深く頭を下げる


告白じゃんかよ！！

すごいなぁ、勇気がある

直接告るなんて尊敬する


『…そっか、ありがとうね！そう言ってくれて嬉しかった！でも、ごめんね、わたしには好きな人がいるんだ』


今度はわたしのほうから頭を下げた


男「…それって…」

『あ、ごめん誰かは教えられないや！その人の耳に入ったら大変だしさ！』


わたしはまだ告白する気なんてない

まだダメ

押して押して押しまくれ作戦はまだ1％くらいしかできてない


男「あ…そうですか。すみません貴重な昼休みをいただいちゃって、じゃあ俺はこれで」

『あ、うん！ほんとにごめんねっ』


いそいそと階段を下る男の子

あ、名前聞いてないや

勇気のかたまりの男の子だな



そのとき、屋上の扉がガチャッと開いた

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