7.愛さない ページ8
持ち上げられた髪に伝わる微かな振動。それに驚き思わず後ろを向くと、カリム様の赤い瞳と目が合い逸らす。
「ほらファナ。前向かないと簪付けれないだろ?」
『も、うし訳ありません…』
前を向いて目を瞑る。力を入れて。
…さっきのカリム様の目、見たことなかった。
何を考えてるか分からなかった。
怖かった。
「俺、ファナの髪好きなんだよな〜」
『ぇ…えっと、ありがとうございます?』
「あっはは何で疑問形なんだ?まあいいけど。
俺、ファナの髪昔からずっと好きなんだ〜。手触りも良いし、匂いも良い。綺麗に纏まってるのに少しだけ癖っ毛なとことか全部」
髪が一つに纏められて何やら髪に刺された感覚が伝わる。
刺された物に髪を巻き付けられてくるっと回された。
「この綺麗な髪を無理矢理切ったら、ファナはどんな顔をするかなって思ったこともあったな」
『え…髪を「はい終わったぞ!」
カリム様はそう言って椅子から降り私の周りをくるくる回り始めた。
にこにこ笑いながら、時折私の髪に触れたりして出来具合を見ている。
「やっぱりファナに似合うな!付けて正解だった」
『…』
このように笑われては先程の事も聞けない。
でも、カリム様はほんの冗談のつもりで言ったのかもしれないし、触れないでおこう。
『ありがとうございます旦那様。私の一生の宝物にしますわ』
私の言葉に今度はカリム様が口を結んだ。
『だ、旦那様?』
「なあファナ。その旦那様って辞めないか?」
俺は前の方が良かった。
カリム様はまた眉を下げてこちらを見る。
一応疑問形にしているけど、当主様に一侍女如きの私が断れる訳がない。
『……分かりました。…カリム様』
パッと明るくなるカリム様の顔に安堵する。
「ん〜でもなぁ〜。俺カリムって呼ばれる方が良いんだけどな〜。それは流石に無理か」
カリム様はそこら辺をちゃんと理解して下さった。
有難い。昔みたいにカリム何て呼んだらベラ様に何をさせるか分からない。
まあカリム様何て呼んでもあの人は何かするはずだけど。
『カリム様、簪本当に有難うございました。
私準備に戻りますね』
椅子から立ち上がろうとするが、肩を押さえられたためもう一度椅子に座る羽目になった。
「準備なら行かなくていい。他に仕事があるから」
『!?』
仕事、私は聞かさせれないけど…
というかどうして私はここに呼ばれたの?
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りりあ(プロフ) - ファナ様、初めまして。コメント失礼致します!私自身重い愛情が好きなので、いつも楽しく読ませて頂いております。今後の奥様方との関わりも二人の関係もどう発展していくのか今からとても楽しみです!無理のない範囲で更新の方頑張って下さい!応援しております! (2020年10月18日 2時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ - え、え、なにこれ好きです頑張って下さい!! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 8ec6a17ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ファナ(プロフ) - しのぶ様ああああさん» 私はえちえち大好き人間なのでこれからもえちえちシーンでます( ^ω^ ) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 9cecc5311f (このIDを非表示/違反報告)
ファナ(プロフ) - 青い夕日さん» うわぁぁあああありがとうございますッッッ!!! (2020年9月7日 23時) (レス) id: 9cecc5311f (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ様ああああ(プロフ) - 全裸待機() (2020年9月2日 16時) (レス) id: 1793c12bd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ファナ | 作成日時:2020年8月12日 2時