Obstinate*17 ページ17
拓真side
わがままだって思う、いやわがままを通り越して、自分でもあきれるくらい。
投げつけられた袋を見つめると、中に入っているものが大体わかってきた。
あの後輩の女子がくれたのとおなじ香水。
後輩がこれをくれたのはたまたまだったんだけど、Aはきっと覚えててくれたんだろう。
「それ、開けてみなよ。」
後ろからいきなり声が聞こえた
「凛空、茉菜…………」
凛空「あーあ、とうとう拓真も嫌われちゃったかもねー。」
座り込んだ俺の横に凛空も座ると
いつものヘラヘラした顔じゃなくて、真剣な表情を俺に向けた
凛空「Aが自分で選んだっていうの、ほんと。店ついて、真っ先に思いついたらしくて、走って探しに行った。」
「っ」
凛空「あった、って言ったAの顔、超幸せそうでさ。仲野、喜んでくれるかなーって、何回も言ってた。気づいた?」
「……………あ。」
凛空「いやー、正直それ書いてるときは妬けたよね。やっぱ俺じゃ越えられない何かが二人にはあるんだ、って思った。」
馬鹿じゃねぇの、まじで。
いつもより、字下手だし。
何回も消した後あるし
袋の中には小さなメッセージカードが入っていて
凛空「つまんない意地張んないでくれるかな。」
「は?…………お前………」
凛空「うん、気づいてたよ。俺らが一緒にいたとこ見たんでしょ。」
「っ……………んだよ。」
付き合ったんだと思ってた、楽しそうに笑ってるから
Aが、見たこともないような嬉しそうな顔してたから
だから、俺今まで邪魔してただけじゃん、とかいろいろ考えたらあんなふうになったんだ。
凛空「拓真ならそんなことしないと思ってたけど。」
「え?」
凛空「そろそろ俺も本気で行くから。」
―――茉菜、帰ろ。
そう言って、屋上を去っていく凛空の背中は俺なんかよりずっとずっと逞しい。
「っクソ。」
もう一度メッセージカードに目をやると、少しだけ肌寒い風が吹いた。
.
.
.
.
.
仲野へ
いつも迷惑かけてごめんなさい。
それと、ありがとう。
――――ずっと一緒に居ようね。
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あおはる - えぇぇぇぇぇぇぇえ!! 終わり方あぁあああああ! 好きぃぃぃぃぃぃい!!! 好きな人と性格似すぎて怖い まっ、好きな人のほうが全然かっこいいんだけどねっ♪(?) 大好きです (2021年7月6日 23時) (レス) id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
とあるY - 好きな人と性格が似すぎてビックリしました! (2021年1月13日 16時) (レス) id: 421fd3c561 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 読み始めは、どうなるの?と思いました! すごく“青春,,が書かれていて、自分が主人公になった気がして、もう本当にドッキドキが止まりませんでした!最高です! (2021年1月12日 6時) (レス) id: 0a82627353 (このIDを非表示/違反報告)
ayana1101(プロフ) - まじ最高です (2020年3月22日 18時) (レス) id: d9ed228046 (このIDを非表示/違反報告)
海 - なんだか私の好きな人にとても似ていました!面白かったです!! (2019年10月30日 22時) (レス) id: 1dbf98b378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちねな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/5d6d080ec71/
作成日時:2014年3月22日 21時