＿＿君を忘れたくない【場地圭介】

12話 ページ13

「てかさっきの激しくうるさかったのは何！？」


「あぁ、それ俺のバイクの音だな」


ほれっと見せられたのはもんの近くに止められた大きなバイク
第一印象重そう。


「俺の愛車のゴキってんだ。」


「へぇゴキブリ」


「ゴキだっつってんだろ。語源はそれかもしれねぇがやめろ！」


かっこいいけどなんか乗ったら真っ先に落ちて天国行ってそう……あれ？私天国行けるよね？

バイクをジーッと見始めた私の肩をパシッと叩き、母に言ってこいと言われた



「ママぁ！行ってくる！」


「いい男捕まえてくるのよー！行ってらっしゃい！」


「無茶言わないでー！」



いい男いるの？ヨボヨボのおじさんとかいたりしない？？？


場地君の元に戻ってくるともう既にバイクにまたがっていた



「ほら乗れよ」


「えっと……膝の上に？」


「乗った瞬間落とすからな。」


後ろだ後ろと言って場地君は一度降りて私を抱っこしバイクに乗せた

だっ……抱っこだと！


「この年で担がれるとか！」


「あ？？んなもん良いだろうが」


「良くもあんなに軽々と！」


「軽かったわ！」


「ありがとう！？」



場地君も私の前にまたがり、エンジンをかけた

すんごい音だなぁ。

ｶﾞﾎﾟｯと頭に乗せられたヘルメット



「お前が石頭なのは知ってるが一応付けとけ」


「任せろ。付け方わからん」


わざわざ振り返ってヘルメットつけてくれた場地君、君はいいお兄ちゃんになるよ。



「時間おしてっから飛ばすぞ」


「え、安全運転で……ﾌﾞﾌｧｧｯ！」


急に走り始めたバイクの向かい風に体持っていかれそうになったが間一髪のとこで場地君のお腹に腕回して大丈夫だった

咄嗟だったとはいえ掴んでしまったのですぐ退けようとしたが



「おぉ、ずっとそこ掴んどけよ」


「了解っス。」


まだ少し浮遊感と向かい風が怖くて掴む手に力が入る



場地君いい匂いすぎん？？？汗臭いとか無いんだけど、なのに無臭って訳でもない……柔軟剤の匂いが程よくてすごく落ち着く……

あ、私匂いフェチかもしれない。千冬君の匂いも後で匂おう。


というかさっきと雰囲気全然違う……バイクに乗っているというのも、髪下ろしてるのも、この黒い服もすっごい似合ってる
かっこいいな。



「おい、強くつかみすぎだ痛てぇよ笑」


「え、あ！ごめん匂ってた！」


「……は？？」


ごめんって、お願いだから少し前に進むのやめて掴めなくなる！


「もうすぐで着くからあげるぞ」


何をと聞く前にスピードが上がった

さっきのが全速力じゃないのぉ！？

13話→←11話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す