まぁまぁ、原作崩壊も程々に Ⅲ (ページ32)

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ジジイの宝ページ32

「過去にどれだけ凄かった男でも、こうなっちゃただのコック……頭を撃ち抜くのも簡単だ」

セーフティーレバーに指をかけたギンにサンジが問いかける

「何が条件だ」

「……この男を助けたいんだろ？頼むサンジさん
大人しくこの船を降りてくれ！！」

「船を降りろ？？やなこった

ギンその銃(ピストル)おれに向けろ」

サンジのその言葉に全員が驚いた

標的を料理長さんからサンジに変えろ、つまり自分を殺せという意味か？？

「サンジｯ！！！死ぬ気か！？」

「まぁね、」

ここのコック達もサンジの言っていることが理解出来ていなかった
もちろん私だって分からない

「……！？サンジさん……！！なんで……！！」

サンジの予想外の行動でギンが戸惑っている、今なら料理長さんを助けられるかもしれない

「そんなに死にたきゃ……殺してやるぜいぶし銀にな！！」

さっき頭突きをして気を失っていたパール男が起き上がり2筋の鼻血を出しながら鋭い目でこちらを見てきた

そしてサンジに攻撃を仕掛けるが、サンジは反撃するどころか避けることすらしない

片手に持っていた刀を握りしめ、パール男に攻撃しようとした時

「Aは手を出さないで！大丈夫です。心配はご無用です」

「でもｯ！！！お願いだから避けてくれサンジ！」

「そこの下っ端が……引き金を引いちまうでしょう？……」

強いはずのサンジが手を出さないのは、料理長さんに向けられた銃の引き金を引かれないため、

「卑怯じゃねェかよギン……そんな条件のめねェよ！！」

「何でだ！！簡単だろ！この店捨てりゃ全員命は助かるんだぜ！？
ただ店を捨てるだけでみんな……」

「この店は、そのジジイの宝だ！！！」

「おれはクソジジイから何もかも取り上げちまった男だ……力も！夢も！！だからおれはもう

クソジジイには何も失ってほしくねェんだよ！！」

あの時、初めてサンジにあった日の料理長さんとの衝突の時
周りから聞いたら誤解されるようなあの言葉の中には少し違和感を感じていた

本当の事にも聞こえるけど、何かを隠しているようだった
これが隠されたサンジの本音

あぁ……なんて自虐的な言葉なんだ

「こんな時にくだらねェことほざいてんじゃねェ……チビナスが」

「うるせェな！おれをいつまでもガキ扱いするなっつってんだろうが！！」

「サンジ危ねェ！！」

ムキになって言い返しているサンジの背後にパール男が攻撃体制で立っていた

「パ〜〜ル」

「！」

「クローズｯ！！」