情報屋と嘘 ページ5
｢うーん……このパスワードだよね？｣
画面に点滅する文字を眺めながら、Aは苦笑いを浮かべた
｢……中、見れそうですか？｣
｢申し訳ないけど、専門じゃないなぁ｣
嘘だ。
この暗号化の仕方はよく知っている。
けど、どうも中を見る気にはなれなかった。
何かが頭の奥で警鐘を鳴らしてる
｢そんな……｣
｢……あーでも、専門家なら知ってる。携帯貸してくれたら連絡取れるし｣
｢本当ですか！！｣
顔を輝かせた愛華に、少し引き気味に笑みを浮かべる。
｢え、う、うん、あの、たぶんね。……て言うか、これ、何のデータ？｣
パソコンからUSBを引き抜き、手の中で弄ぶ。
壁に貼り付けられた新聞や雑誌の切り抜きが嫌に目に付いた。
果たして、雨宮武尊はこんなことをする性格だっただろうか？
｢……わかりません、でも、｣
｢上園会がそれを狙ってる｣
武尊の声に、再び頭の何処かが強くざわついた
それも、さっきよりはるかに強く。
｢上園会────？｣
断片的な文字が言葉になって、言葉が文章になって
視線が、手元のUSBに注がれた。
このUSB、見覚えがある。
誰に渡した？何のデータを？
思い出せ、思い出せる
｢上園会……、そう！成瀬だ、成瀬幸雄！！……道理で聞いたことがあるはずだよね……｣
｢父を、知ってるんですか……？｣
愛華の瞳が揺れる。
同時に、AはUSBを握りしめる
｢父？……それじゃあやっぱり君は成瀬弁護士の？｣
しっかりと頷く愛華に、Aは深い溜息を吐いた
｢……なるほど。どういう経緯があったのかは気になるけど、それじゃあこれは……君が持っていていいものじゃない｣
｢これの中身を知ってるんですね？｣
｢さぁね｣
｢はぐらかさないで！｣
｢これは見せられない。見れば、今度は君が殺される｣
振り上げられた平手が、Aの頬にあたって乾いた音を立てた
同時に、頭の中の線が繋がって、バチッと火花が散ったような気がした
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ゆかり(プロフ) - すごく面白かったです！あとヤマト落ちのやつも描いて欲しいです！ (2018年7月22日 18時) (
レス) id: 6d67b75ad8 (このIDを非表示/違反報告)
玄ちゃん - 雨宮兄弟の兄の名前は尊龍ですよ。 (2017年11月12日 10時) (レス) id: f00d27de65 (このIDを非表示/違反報告)
橙色唇王子の虜(プロフ) - この作品とても好きです！更新頑張ってください！ (2017年11月7日 17時) (レス) id: 46cd618f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翼 x他1人 | 作成日時：2017年11月7日 0時
