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『シャオちゃん、写真撮らん？』
「おお！それええな。撮ろ」
Aちゃんがカバンからスマホを取り出していると、丁度人がやって来た。
写真を撮ってくれないかとお願いすれば、快く引き受けてくれた。
手を繋いだまま、ひまわり畑の前に立つ。
ハイ、チーズの掛け声で、目一杯の笑顔をカメラに向けた。
撮ってくれた方にお礼を言い、撮れた写真を見る。
2人ともすごくいい笑顔だ。
そうこうしているうちに、家に帰った方がいい時間になって来た。
また手を繋ぎ、来た道を戻る。
楽しい時間ほど早く過ぎる、というのは本当でこの1週間は、どんな1週間よりも短く感じた。
家に到着すると、部屋から荷物を取って玄関に戻る。
今度はじいちゃんとばあちゃんも一緒に駅へ向かう。
ばあちゃんは俺にたくさんの野菜が入っている袋を渡した。
「お父さんとお母さんに渡しなさい」
「うん。ありがとうばあちゃん、じいちゃん」
「またいつでもおいで、待っとるから」
「うん」
もらった袋をギュッと握りしめた。
線路の方を振り返り、奥を覗けばゆっくりと電車がやって来ていた。
1週間って短いんだなとつくづく思う。
『もう、行くんよね…』
「そんな悲しい顔すんなよ。Aちゃんが笑ってへんと俺、帰られへんやん」
せやから、笑って？
『そうやね！また、会えるしね』
「そうや。また会える」
電車が駅に到着した。
「じゃあ…行くな」
『うん』
俺が乗り込むと、電車の扉は閉まり、再び進み始める。
進みに逆らうように電車の中を歩く。
手を振ってくれてる3人に、俺は全力で手を振り返した。
見えなくなるまでずっと。
[ 笑ってひまわり ]
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作者名：煽田 -アオタ- x他1人 | 作成日時：2020年8月1日 22時
