21話 ページ21
終始鳴り止まない鼓動。
手から出るうすら汗。
勝手に歩きまわる足。
ああ、どうかなってしまいそうだ。
集合場所として有名なこの場所には、俺と同じように彼女や友達を待っている男たちがいる。
彼らが平然とした顔をしていられるのがうらやましくてたまらない。
意味もなくスマホを開いて、閉じて。
そしてポケットにしまう。
『おまたせ』
背後からやって来た、その姿に眼を見張る。
どう表現すればいいか分からないが、目の前には、かわいい少女が立っていた。
いつも見る制服とも、昨日見た動きやすそうなスラっとした服でもない。
服の名前とかよくわかんねーけど、でもスカートは薄い青のストライプで、上はなんか、ふわふわした白い服。
オシャレには興味ないけど、かわいいことは分かった。
『シッマ？
なんか私変？』
「ああヤイヤイ！大丈夫や。じゃ、行くでー」
あまりにもAを見つめすぎて困らせてしまった。
でも、困らされたのはこっちも同じだ。
美人は目に毒。
さて、まずどこに行こうか。
『今日はAの行きたいとこに行くで！』
「ありがとう。
じゃあ遠慮せずにいろんなとこ行くで！」
目の前の彼女は、目をキラキラとさせていた。
その瞳を見ると安心する、ちゃんと楽しんでくれてるって。
Aが最初に向かったのは、予想通りの本屋だった。
Aならやっぱ本屋かな、と思ってたら案の定。
Aの好きな作家さんの棚に二人で向かう。
どうやら新作が出ていたらしく、それが大々的に宣伝されていた。
帯には、「人物たちの思想がぶつかり合う、本格ミステリー」と書いてある。
Aが好きそうなストーリーだ。
「あ、新作出たんや。買おう」
そう言って、本を取る。
しばらく他のたくさんの本を見て、4、5冊の本を手に取りレジへ向かっていった。
俺も気になる小説を手に取りレジに向かった。
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煽田 -アオタ-(プロフ) - しゅうさん» あ！ありがとうこざいます！！更新頑張ります！ (2020年4月24日 22時) (
レス) id: 83eb485547 (このIDを非表示/違反報告)
しゅう(プロフ) - knさんと主人公ちゃんが徐々に仲良くなっていく姿が見ていて微笑ましいです！ これからも更新楽しみにしております。 (2020年4月24日 22時) (レス) id: 82e33cb278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煽田 -アオタ- | 作成日時：2020年4月16日 23時
