20話 ページ20
結局東田に言いくるめられ、誘う羽目になった。
てかそもそも俺、Aと連絡先交換してないから誘いようがないよな。
家も何も知らないし。
…あれ？俺Aの事何も知らなくね？
そう思うと、途端に焦ってきた。
結構知ってるつもりだったのに、細かいこと全然知らない。
どうしよ。
考えてても進まないし、とりあえずスタジアムの敷地から出よう。
スタジアムを出て塀を右に曲がると、目の前には、まさかのAがいた。
『うぉ！え、おったんか！』
「う、うん。何も言わんで帰るのあれかなーって思って」
『全然帰ってよかったんやけどな』
待たせてたなんて申し訳ないな。俺待つの長かっただろう。
…でも、少し嬉しい。
「ホントは、今日のこととかたくさん話したくて、待っとった…」
かわええ……。
そんなん、もっと好きになってまう。
『今日、来てくれてホンマありがとうな。いつもよりも張り切って試合できたわ』
「そう？
見とってって言われたからちゃんと見とったよ。ゴール決めたときかっこよかった！」
あまりにもキラキラした瞳でかっこよかった、なんて言うもんだから、褒められてるのに恥ずかしくなってしまう。
でも、やっぱ好きな子から褒められるのはいいもんで。
『な、なんか、恥ずいな』
「ええ〜。ふふっ、ホンマにかっこよかったで」
『だから、やめっ。
…ほんまA言うようになったよな！』
「あはは、そうやね。
なんか、シッマと話すの楽しい」
『……俺も、Aと話すの楽しいで』
お互い、ぎこちなくなって沈黙の空間ができる。
でも、全然きつくはなくて、穏やかな沈黙が2人を包んだ。
少し途切れた会話。
言うなら、今しかないんじゃないか、俺。
ちゃんと誘え。
『あの、A。今度の土曜日、出かけへん？
…その、2人で』
よく言った！！俺！
あとはAがなんて答えるか。
「へ……？」
俺はひたすら地面のアスファルトを見つめ、返事を待つ。
「…………うん。ええよ」
『ッほんまか！
よかった〜』
「ふふ、桃佳以外の人と1日過ごすの初めてや〜」
絶対、楽しかったって、言わしたるよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「d!」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
煽田 -アオタ-(プロフ) - しゅうさん» あ！ありがとうこざいます！！更新頑張ります！ (2020年4月24日 22時) (
レス) id: 83eb485547 (このIDを非表示/違反報告)
しゅう(プロフ) - knさんと主人公ちゃんが徐々に仲良くなっていく姿が見ていて微笑ましいです！ これからも更新楽しみにしております。 (2020年4月24日 22時) (レス) id: 82e33cb278 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：煽田 -アオタ- | 作成日時：2020年4月16日 23時
