6話 ページ6
完治した次の日、復帰の練習を一通り終わらせ、休憩がてら庭に来た。
そこには楽しそうに水撒きをしているひとらんがいた。
『ひとらん』
「あ、シャオちゃん。改めて復帰おめでとう」
『あざっす!』
休憩でここに来たのもそうだが、俺はひとらんに聞いてみようと思っていたことがある。
『なあひとらん。フユザクラって知ってる?』
「フユザクラ……ああ、桜か。いいよね冬桜。
ところでなんで冬桜知ってるの?」
『治療中にAが話してくれた』
「なるほどね。A好きそうだもんなー、冬桜。」
『へーそうなんや』
まぁ、たしかに話を聞いた限り結構ロマンチックな花みたいだし、Aそういうの好きだもんな。
「冬桜の花言葉は聞いた?」
『いや?聞いてないで?』
花言葉があるのか。
いったいどんな言葉かと、ひとらんの言葉に耳を傾ける。
「冬桜の花言葉は、「冷静」」
『冷静』
そっか。冷静、か…。まるでAだ。
その言葉はAにぴったりだ。
フユザクラって花が、俺の大切なものの一つになった。
いつか、フユザクラをこの目で見てみたい。
そのときはきっと隣にアイツがいるんだろう。
俺に強い希望を抱かせてくれたフユザクラ。
どんな花なのか、まだわからないけどいつかこの目で、イキイキと咲く様を見てみたい。
フユザクラ
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作者名:煽田 -アオタ- x他1人 | 作成日時:2020年4月5日 18時