・・・・�� ページ19
ボタンを器用に縫い始めた彼女を見て、なんとも言えないような、くすぐったい感覚が心に湧き上がって来る。
なんか、いいよなァ〜、こういうの。家庭的でさ……。
「上手いじゃあないか」
「そうですかね？お役に立てて良かったです……そういえば、先日聞いてもらった話なんですけど、あれ以来、何事もなくてホッとしました」
だろうな……しっかりと君に書き込んどいたからなァ。でも、早めに康一くんと調べに行かないと……。
「また何かあったら、僕を頼れよ」
「はい、ありがとうございます」
こうやって頼れる男をアピールする……あ、しまった！Aがピンチの時は、必ず僕が遭遇するように書き込めば良かった！そうしたら僕が助けて、もっと好感度を上げられたのに……。
「終わりました」
「ありがとう。綺麗に出来たな」
言いながら反対側の手で首を掻いた。別にそこが痒かったわけじゃあない。
「反対側のボタンがないですよ」
彼女はすぐに気がついた。
「本当だ。んん？こんなところに落ちてるぞ。いつの間に取れちまったんだ？悪いけど、こっちも頼むよ」
「はい。パパッと終わらせちゃいますね」
「いや、ゆっくりでいいよ。ほら、スノウもまだ君に帰ってほしくなさそうだしさ……でも、ほんとに器用だよなァ……君の手って、案外綺麗だ__ッ！」
「ご！ごめんなさい!!」
手首にチクリとした痛みが走り、彼女が慌てて僕の袖を捲くると、ちょうどボタンを縫っていた箇所から血がプクリと浮き上がって来た。気が動転したのか、Aは舌でその血を舐め取った。
うわ……‼
「あ！わ、私ってば何てことをっ‼き、きちんと消毒を＿」
「いや！全然、大丈夫だ。気にするな」
赤くなったり青くなったりしながら、何度も謝り__結局、ボタン付けを途中にしたまま帰ってしまった。部屋にひとりきりになると、彼女の温もりが残る手首をじっと見つめて呟く。
「僕は変態か？まぁ、いいさ。もし、そうだったとしても__部屋には誰もいないんだ、構うもんか。好きな相手なんだし……して当然だろう」
Aが舐めたそこにそっとくちづけると、舌を這わせた。この時、僕はこの出来事に心がいっぱいで、彼女の異変に気づけていなかった。
もし、気づけていたのなら__激しく吉良吉影に嫉妬していたに違いない。
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パエリヤさん(プロフ) - やばいです！綺麗な文章で素敵です！ありがとうございます！ (2022年1月31日 19時) (
レス) id: a088706bb8 (このIDを非表示/違反報告)
よっちー - サイコーです！続きを楽しみにしてます！ (2021年7月13日 14時) (レス) id: eac1b7e0ad (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - 更新多くて嬉しいです！ (2021年7月11日 18時) (レス) id: 73f14cc594 (このIDを非表示/違反報告)
桜鯛(プロフ) - 凄く面白くて一気に2まで駆け抜けました。もっと早く知りたかった作品です…！今は友希を募集していないようなので、また再開したら必ずすっ飛んで行きます！お気に入り失礼します。 (2021年4月2日 1時) (レス) id: d34a88a9f2 (このIDを非表示/違反報告)
すみね(プロフ) - 本当に大好きな作品です。ありがとうございます。 (2020年7月26日 1時) (レス) id: 8a8e69e87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光
| 作成日時：2017年3月16日 20時
