【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

帰り道での出会い　兄さん、しんぺい神編 ページ45

コネシマ視点

オスマンさんと別れて、自室への道を急いでいた。足を怪我していたとつい先ほど気がついたが、医務室に先生はもういないだろう

明日どうにかする他ない。まずは寮に帰ることを第一目的としなければ

最悪なことに、俺は道に迷っていた。少しだけ複雑なだけの廊下なのに、俺は見事に足止めを食らってしまう

コ「どうしよ、、」

就寝時刻を過ぎて尚、こんなところに立ち尽くしていては心配されるだろうし、何より教師たちからの視線が怖い

かといって下手に歩き回れば余計に迷子を拗らせるだけだ

思わず漏れ出てしまったため息を飲み込み、兎に角人と出会おうと足を踏み出した時

？「あらら？迷子〜？」

？「新入生やな、この子。寮の名簿に載ってたわ」

後ろから二つの声が届いてくる。一つは間延びした、けれど決して怠惰そうな雰囲気を纏わない優しい声。もう一つは凛とした芯を持ちながらも、相手を威圧しない穏やかな声

コ「ぁ、えっと、、」

？「コネシマくん、やな？俺らの後輩の」

紫のストールを軽く巻きつけ、眼鏡をつけた人は俺に視線を合わせるように屈んでくれた。藤色にも思えるような深い紫の瞳が、俺の瞳とかち合い、そしてそこに優しい甘さを含んだ

兄「俺は、、そうやな。兄さん、と呼んでくれ」

さらり、と彼が首を傾げたことで耳から落ちた濃い茶髪が月の光でキラキラと光る

攻略対象の一人、兄さん。神出鬼没とも謳われるほど、彼と接触するのは至難の業だ。常に何処かを移動し続けているらしい

そんな兄さんの奥。ロボロさんとは違う、黒い布地に白文字で『神』と書かれたものを顔の前に垂らし、淡い空のような色をした髪を撫でつけながら「どうも〜」と挨拶してくれる人

攻略対象の一人、しんぺい神さん。男の人が好き、だとかなんとかの噂が流れていて、メンバーの中では謎が多い人物だ

彼は保健委員で、医療関係の仕事に就きたいと考えている。兄さんも兄さんで、物流やらなんやらと関わって仕事をしたいと告げており、メンバーの中では夢がハッキリとしている人たちだ

し「、、怪我、しとるね。転んだの？」

コ「へ、、！？」

不意にしんぺい神さんが俺の左足につ、、と指を這わせる。じくりと痛んだそこに顔を歪めれば、兄さんにひょいと横抱きで抱きかかえられた

彼らは寮へと足を進める

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