【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

夕暮れでの出会い　ゾム編 ページ33

コネシマ視点

チーノくんと別れて、夕食まで散策を続けようかと考えた。透明な窓ガラスの奥には、赤く染まりきった太陽が地平線の向こうに隠れようとしている

そうそう、校舎について。この学園には三つの校舎がある

一つ目は東校舎。生徒会室や職員室、授業を受ける為のクラスは基本ここに集結している。他にも保健室や理事長室があったりする

二つ目は西校舎。ここにはクラスがある。授業の為のクラスではなく、自己紹介をした時のような礼儀作法なんかの筆記は大体そこで受けている。図書館や部室などもここに集まっている

三つ目は南校舎。中庭や食堂、花壇なんかは大体ここにある。カフェテリアなんかの娯楽施設が収集されていると考えるのが妥当だろう

だから、俺がいるのは南校舎。部室を探して、いつの間にかここにまで来ていたということだろう

コ「考え事してると、周り見えんくなるから気を付けんとな、、」

校舎にはそれぞれ特徴がある。窓枠や扉のノブに彫り込まれた模様が異なるのだ

東校舎は太陽が昇る方角にあることから向日葵が、西校舎は月が浮かぶことから月見草が、南校舎は南国のように温かいという方角からプルメリアが、それぞれ学花(がっか)として用いられている

普通の生徒ならこんなことは知らないだろう。なら、何故俺は知っているのか。それは、学園入学が決まった時に配布されていた本にはそれらのことが書かれていたからだった

勉強しか取り柄がない、というのはどうかと思うが両親にはこれでも褒められているのだ。彼らはそれ以外褒めてはくれないが

まぁ、兄弟がああなら、当然なのかもしれないが

ふぅと息を吹いてから、南校舎で一番綺麗だと噂の第三ガーデンを見に行こうと右手にあった階段を降りていく

やけに静かな踊り場に、コツンコツンと靴音が響いてふと違和感が頭を埋め尽くした

そういえば、、、何故、ここまで誰にも合わずに居られたのだろうか

普通、放課後なら生徒達が出歩いているだろう。しかも今日は初日であり、新入生たちは何処へも出入り可能になっていたはずだ

では、何故俺は人とあまりすれ違わないのだろうか

考えすぎかもしれないが、どうしても気になってしまう。だが、確認する術は無い

うーんと唸っていれば、耳元で声がした

？「何してるん？ここは立ち入り禁止やで？」

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