【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

チーノ編４ ページ32

チーノ視点

こくりこくりとカップを持ってココアを飲む姿は小動物のようで愛らしい

会ってみて分かる。彼が計算して性格を作っているわけではないことに

本当に、心の底から彼はこういう性格なのだろう。今ならグルッペンさんやトントン、ショッピに大先生が気に入っていた理由もわかる

純粋な彼のことは見ていて凄く心が落ち着いてくる

ただ、少しだけ

俺と出会った時、ほんの一瞬だけだが怯えたような光を瞳に宿したことが気掛かりだ

何故、俺を怖がっているのだろうか。俺は彼に敵意を向けたことはない。そりゃ、警戒はしていたがそれを外には出さなかった

なのに、読み取った、、？いや、まさか、、でもそうなら凄いことだ

、、へぇ、、、面白い

こりゃ、手に入れたくなる気持ちが分かる。彼を手元に置いて、目一杯可愛がり倒したくなる

庇護欲をそそられるといいうか、、なんというか。彼さえいれば満足だという感情が溢れてきて、力ずくで手元に引き寄せたいと本能が喚きだす

コ「チーノくん？ソフトクリームが全部溶けてまうよ、、？」

チ「あぁ！食べますよ」

そっとフォークを刺して、既に切り分けたそれを食べる。ちらりと彼の顔を見れば、一口含む度に嬉しそうな表情で頬を抑えている

可愛い。どこかのヒロイン気取りな女と違って、ね

あの女は大先生が危険だと言っていた通りだった。放置すれば、いずれコネシマさんに被害が及んでしまうかもしれないとのことだ

しかし、証拠はない。俺たちにべたべたと寄ってくる以外で被害はないし、周りの奴らからも特にこれといった愚痴も噂もない

あぁ、そうそう。"誰か"が"影"から流したコネシマさんの噂は今頃彼らが無かったことにしているだろう

流した犯人には見当がついているからとゾムさんやシャオロンさんが目を光らせているらしい

さっさとボロを出してくれれば、俺たちも動きやすいしアタックしすいのに、、なんて不満は彼には絶対見せなけれど

チ「部活、入りたいところが無かったら是非ウチに来てくださいね」

コ「んー、考えとくな！」

優しい太陽のように微笑んで、俺を見てくれる彼に同じように笑顔を返して残り半分もあるそれを食べ進める

こんな、平和な日々が続くのかは怪しい。貴様なんてそんなものだと言われるかもしれないが、俺は平穏が好きなんや

絶対、仲間は、彼は守ってみせる

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