【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

ショッピ編４ ページ28

ショッピ視点

後ろからぎゅうっと抱きついて、彼の華奢な身体を閉じ込めた

この人は、俺のことを否定しようとはしない。それだけでこの人には価値があるということがハッキリする

ぱっと見て、綺麗だと思った。第一印象はそれだけだったが、彼らからの話を聞いてますますこの人のことが気になってしまった

だからここに連れてきたのだが、、期待通り、いや。期待以上に素敵な人なのだと分かってしまう

昔から。剣術や武術は嫌いではなかったのだが、それ以上にやりたいことがあって。それを親に伝えても、応援どころか邪魔ばかりされてしまった

ランタンを作る、カンテラを作成する。簡単な作業ではないのに、アイツらは「庶民共でもできる仕事だろう？」と小馬鹿にして笑っていた

今の王城だって、町並みだって。そんな庶民たちが作った装飾品で溢れ返っているくせに、だ

俺は誰に何を言われようと、必死に作った。そうしていれば、グルッペンさんにランタンを気に入られて、ここにやってくることができた

彼らからの依頼、貴族たちからの依頼で俺はそこそこ自立できるだけの額を稼いで家から飛び出したのだ

そんな俺の決死の努力を知っている筈なのに、彼は蔑むことなく俺のランタン達を綺麗だと微笑んで、見惚れてくれた

それが、どれだけ嬉しいことか。きっと彼には分からないだろうけど

ショ「好きな色は、なんですか？」

コ「ぅえ？、、ぁ、えっと、、水色とかやな。後は藤色とか、、」

俺からの問いかけにあわあわしながらもしっかりと答えてくれる彼が愛おしくて堪らない

水色と藤色。成る程、彼らしいいい色だ

ショ「そうっすか。、、明日のパーティー、よろしくお願いしますね」

おう、と満面の笑みを浮かべる彼の瞳はまるで天使のように優しい色を含んでいた

ゲームのストーリーでは。ヒロインである、あの女にランタンを贈るようになっていたけれど

あんな奴に贈る、そんなシナリオ通りに進むなんて許せるわけないだろう

待っていてください。明日、貴方だけに似合う特別なランタンを。貴方専用の、輝かんばかりのカンテラを贈りますから

ね、コネシマさん。俺は貴方に恋してしまったんです

だから、貴方を素敵に飾るものたちは全て。俺だけが作っていればいいんですよ

ふふっと隠れて笑った俺に気がつくことなく、彼はまたランタンの光に寄り添っていた

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