【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

ロボロ編４ ページ20

ロボロ視点

食堂から去って行った彼を見て、俺はほくそ笑んだ

成る程、大先生が執着する理由が分かった。彼は謙虚で、無垢で、純粋で、穏やかで

彼こそ、俺たちの理想のヒロインだ

俺も、というか俺たちも。事情があって転生したのだが、まさか自分たちを主体にしたあの恋愛ゲームに転生するとは思わなかった

意外と俺たちの特徴を掴んだあのゲームは、瞬く間に人気になっていって、男女問わずに広がっていった

あのゲームに転生した。と、いうことはヒロインがいるはずだと踏んだのだが

どういうわけか、そのヒロインは大先生に絡んだようでヒロインの資格はないとグルッペンやトントンは見定めたようだった

代わりに、彼。コネシマが候補に挙がったのだが、まあ接していても彼がいい人なことは分かる。あの可愛さはヒロインに分け与えたとしてもヒロインが可愛さに着られる状態になるだけだろうが、彼にはとても良く似合っていた

仕草は文句無し。口調も、慣れればきっとラフになるだろう。さらに聞き上手に話し上手ときた

これは、彼がヒロインで間違いないだろう

別に俺たちは男色ではない。なのに彼に惹かれているのだから彼以外がヒロインとは考えられない

ああ、全く。なんて可愛いヒロインを、世界は俺たちに与えてくれたのだろうか

彼の立場は悪役。俺たちに断罪されて、悲しい未来を持っていたキャラクターだったはずなのに、今では俺たちから愛されるべき存在になってしまっている

バグなのだろうか？いや、この世界はそもそもゲームではない。現実だ。彼という存在は尊いもので、彼の存在は現実なのだからバグだなんて失礼すぎるだろう

ロ「いやぁ、あれはアカンな。取って喰いたくなってまう」

もし、あの無防備な首筋に舌を這わせたら。華奢な手に指を絡めたら。耳元でそっと囁いたら

一体、どれほど可愛い反応を見せてくれるのだろう

待ちきれない。早く、彼の身体を抱きしめてあげたい。知らない世界で悪役な立場で。不安が溜まっている筈の彼を甘やかして可愛がってしまいたい

でも、まだ我慢。あの、あの邪魔者達が要らないのだ

学園の中にはまだ沢山いる。彼が安心して暮らせる環境を整えてあげなくてはならないのだ

だから、まだお預け

、、でも、さ？

ちょっと味見くらいなら、許してくれるやろ？

そんな考えに、口角が上がったのを自覚した

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