ひとらんらん編 3 ページ11
ひとらんらん視点
花の世話をしようと思って花畑にやってきた時、小さな声が聞こえて思わず声をかけてしまった
驚いたような顔をする彼に「やらかした」と感じたのは一瞬だけ。彼は特に騒ぐこともなく、かといって繕ったような態度でもなく
強いて言うならそう、自然に俺に対して話しかけてくれた
それだけではなくて、なんとガーデニングに興味があって花が好き。なんて可愛い趣味を見つけてしまった
これはもう関わるしかないと思って、畑の一画を貸すからと彼をなんとかこの場に押し留めた
華奢な手でそっと花に触れる様子を見て、俺は胸の中が何故かきゅんと甘く疼いた。その顔を俺に向けてくれないかな、なんて変な考えまで浮かんできて
手が泥にまみれるのが嫌、と俺に近づかない令嬢も令息も多くいる中で、初めてアイツら以外に俺の側に寄ってきてくれた彼
コネシマ、と名乗った彼は一生懸命に花の世話をしていた。真っ白な制服が汚れるかもしれないのに、しゃがみ込んで必死に作業する様子は見てみて心地いい
ひ「コネちゃんはさ。将来的に花に関わる仕事したりしないの?」
コ「ぅえ?唐突やな、、。うーん、、生きていくためには父様の仕事を継ぐべきかなぁって考えとるから、今のところ予定はないで。でも、もし恋人とかが花好きならガーデニングしたいなって思っとるよ!」
まあ思っていた通りの返答。だけど、その屈託のない純粋な笑顔は一体誰から教わったのだろうか
その恋人が俺ではダメなんだろうか、と言いそうになって慌てて口を噤んだ。彼はまだ俺と会ってはが浅いのだから、急なことはあまり好ましく思わないかもしれないのだ
まずはしっかり彼のことを知ってから。彼が好きなもの、苦手なもの、嫌いなタイプ、好きなこと。知りたいことなんて山ほどあるから、きっと質問しだしたらキリないんだろうな
アピールは大事だけど、押したり引いたりはしたくない。そっと近くで居て見守るくらいが丁度いい気がするから
チラリと彼の方を盗み見ると、彼はジョウロに水を汲んでいるようだった
ジョウロをそっと傾けて、慎重に水やりをする彼の真剣な横顔を見つめて、俺は少しだけ彼の側に寄ってみた
こつり、と触れ合った部分からは布越しに彼の高めな体温が伝わってくる。ふっと此方を振り向く彼に対してお疲れ様と声をかければ、嬉しそうに微笑んでくれるのだ
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桜華(プロフ) - #よにん。@str48&変人系カップル&踊り子さん» ふふふ、矛盾しているのに気がついてないんですよね、、彼。このままなら絶対伸びないのに (2020年9月20日 18時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。@str48&変人系カップル&踊り子(プロフ) - 見てて思いました...rbさん、筋肉付けると身長伸びないのに筋トレしてる...w (2020年9月20日 18時) (レス) id: 5f7a5f4a4a (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 瀉天さん» はい、シロノワールです。見た目も味も同じもの、と考えていただければ! (2020年8月6日 11時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
瀉天 - 新人めんつゆさんと食べてたのってシロノワールみたいなやつですか? (2020年8月6日 11時) (レス) id: e06394b706 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - #よにん。@変人同盟さん» ありがとうございます!彼はメンバーにとってのヒロインとしてますから。楽しんでいってください (2020年7月28日 7時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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